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満天☆の海-2

Anchoring(The Annapolis Book of Seamanship)

アンカーとアンカーロード選択の目安
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注:この表は中程度の排水量とビームを持つ船が軽風の条件下で泥のような良質の把駐水底にアンカリングする時の最低値を表している。船が重かったりビーミーであったり、暴風条件になりそうだったり、岩石や海草の多い海底にアンカリングする場合はアンカーの重量を50%かそれ以上増やす必要がある。

28ftのKAKESU―3に適合するのは4.5kgのダンフォースタイプアンカーに3/8”(10mm)径の三打ちナイロンと6mm径のチェーンということになるが、3つともオーバースペックの物を積んでいる。アンカーが大きすぎても危険ではないがラインが太すぎると危険なようなので(アンカーロードの項参照)、買い換える時にはスペックを合わせないといけない。

アンカー
一般的に使われているダンフォースタイプは泥、砂などの軟質の底土向きのアンカーでこれらの底土には非常によく埋没するので重量は軽いもので良い。軽い為に硬い底土や海草の多いところでは滑ってしまって軟質の地盤のところまで来てようやく食い込むということもある。岩石、貝殻、あるいは硬い泥がシャンクの蝶番部分やフルークの先端にこびりついてアンカーを食い込ませたり引き上げたりするのが難しくなることもある。b0114415_9181276.jpg
ということは、図のようなバウアンカーのアンカリングでアンカーが滑って効かなくてもそのまま数メートル後進していれば食い込んでくれるかもしれないということだ。底質次第だが。また、アンカーが効かず、一旦引き上げて再投入しようとする場合は泥などがこびりついてないかチェックした方がいい。

プラウ(CQR)はダンフォースタイプ同様埋没型アンカーだが岩石、サンゴ、泥、砂、海草などほとんどの底土に良く把駐する万能型のアンカーだ。ただ、このアンカーの場合バウにバウローラーを設置して格納するようにしなければならないので格納方法を決めてから買った方がよい。

アンカーロード
アンカリング用具のもう一つの要がアンカーロードで、アンカーが海底にしっかり食い込むかどうかはロードの選択と使い方次第だ。

アンカーロードには3つの役割がある。
一つ目はアンカーと船をつなぐこと。二つ目は荒天時に突然船が動いた時の衝撃を吸収すること、三つ目はアンカーのシャンクを水平方向にを引くことだ。
一点目で重要になるのは強度であり、二点目で重要なのは衝撃を吸収出来るだけの伸張性だ。アンカーロードにはナイロン以外のロープを使ってはならないというのが常識にさえなっているが、それはナイロンがロープの中で最も強く最も伸びが大きいからだ。ナイロンロープは長さの1/2まで伸びてその後元に戻っても繊維や構造に損傷は起こらない。

強度と衝撃吸収力のバランスも重要だ。ラインは径が大きいほど強度はあるが太ければ良いというものではなく、太すぎると衝撃を吸収できるほど伸びないのだ。
伸びはロープの太さと荷重の大きさによって決まるが、ある一定の荷重を受けた場合細いラインの方が太いラインよりも良く伸びる。
「船(荷重)に対してロードが太すぎると安全を維持できるほど伸びないので逆に危険だ。ロードに加わる衝撃がアンカーに伝わってアンカーが抜けてしまうのだ。だから用心の為に安全を期してワンサイズ上のロードを使いたくなるのが人情だがそれは決してやってはいけない」、と書いてある

三つ目の要件はアンカーが食い込み続けるように水平方向への引きを維持するということだ。ナイロンは弾力性があるのでこの点もかなりよく適えることができるが、ロードは重いほうが海底の方に弛みこんで海底との角度が小さくなりアンカーのシャンクを水平方向に引きやすくなるので、一般的にはラインとアンカーの間に短いチェーンを挟んでいる。

スコープ
スコープというのは繰り出されるロードの長さと満潮時の海底からデッキ迄の高さの比で、この比が大きいほど、即ちロードが長いほど海底に対して平行に近くなりアンカーを水平方向に引く力が大きくなる。ナイロンとチェーンのコンビネーションロードの場合、静穏な時なら6倍のスコープで安全だが、荒れている時は7倍から10倍のスコープが必要になる。

アンカーチェーンの長さ
30ft艇の場合はアンカーとナイロンロードの間に長さ3フィートのチェーンを使えばほとんどどんな条件下でも安全に船を泊めておけるだけの十分な弛みが得られる。これより艇が大きくなると6ft(180cm)から10ft(3m)の長さが必要になる(、としているがちょっと短すぎるような気がする。)

WMのWest Advisorでは艇の長さ分のチェーンが必要としている。その一方で同社のパッケージ販売では32ft迄のボートに対し5.85kgアンカーに1/4”(6.35㎜径)のチェーン4.5mと7/16”(11㎜径)のアンカーライン200’(60m)を組み合わせて販売しているのだが。

アンカーチェーンの目的
チェーンをアンカーとラインの間に挟む目的は、ロードを海底の方に弛み込ませて水平方向への引っ張り力を得ることともう一つ、ナイロンラインが岩石質の海底とこすれて擦り切れるのを防ぐことである。

チェーンとラインの結び方
ラインをアイスプライスして(シンブルを入れて)シャックルを介してチェーンとつなぐべきである。このやり方だとラインの強度は数%しか落ちない。

ラインにアイがない場合はチェーン(又はアンカーのシャンク)につけたシャックルにノットで留めるがその際ボーライン(ライン自体の強度が40%落ちる)よりもフィッシャーマンズベンド(ライン自体の強度が25%しか落ちない)の方が安全である。
ラインが三つ打ちラインの場合は余ったビターエンドをストランドの間に差し込んで留めておくことが出来る。八つ打ちはそういうやり方は出来ないので細い紐で縛って端留めする。

シャックル
アンカーに使うシャックルは青銅か亜鉛メッキ鋼の大型シャックルを使うこと。ステンレスシャックルは使わない。ステンは初めのうちは強いが曲がったりへこんだりすると強度が落ちてしまうし、また、曲がったりして切断して外さなければならない時には軟質金属の方が切りやすい。
シャックルピンが固くなって外れなくなるのを防ぐにはねじ山にグリースを塗ってから締めつければ良い。最後に抜け落ちを防ぐ為に亜鉛メッキの耐食性ワイヤーを巻きつけておく。藤沢に東急ハンズが無くなって困ることが多い。ホームセンターで亜鉛メッキの耐食性ワイヤーが欲しいのだがと言っても店の人は分からない。自分で調べてみたらいわゆる普通の針金のことだった。

モニター
ロードの一番下にチェーンが付いていなかったりあるいは付いていても長さが十分ではないと言う場合にはロードに錘を垂らすことによって弛みを大きくすることが出来る。


アンカリング
錨泊予定地点から風上に向かって微速前進で進む。投錨予定地点に近づいたらエンジンを中立にして惰性で接近し、投錨予定地点直前でエンジンを後進に入れ少し回転を上げて行き足を止める。
艇が後進を始めたらアンカーを静かに沈め、真っ直ぐバックするように舵をしっかり持って慎重に操船する。風がありスピードが速すぎるような場合はエンジン回転を落としたり場合によってはギアをニュートラルにしながらラインを繰り出して行く。

4~5倍(静穏な海なら3~4倍)のスコープでロードを出したらクリートにかけて、艇を後進させながらアンカーを海底に食込ませる。アンカーが海底に食い込み始めたらロードに抵抗を感じる。初めてロードに抵抗を感じた時にアンカーが海底に食込んだはずだ。※ アンカーが効いてもすぐに作業をやめないで、更に2-3分間エンジン回転数を上げてアンカーをしっかり海底に食込ませる。
アンカーが食い込んだことを確認したらロードをクリートから外し、微速で後進しながら6倍(ランチフックなら長く取ってもせいぜい4~5倍にして走錨に気付いたら打ち直せばいい)のスコープになるまでロードを出してクリートする。ロードに抵抗を感じ、艇が停止したら終了。

4~5倍(静穏な海なら3~4倍)のスコープでロードを出したところでアンカーが滑って海底に食込まない場合の処置:

アンカーが効いていない場合はアンカーロードの海面に没している辺りが水を掻く(バックするから)のですぐに分かる。

ダンフォースタイプなどの軽量アンカーは軽い為に硬い底土や海草の多いところでは滑ってしまって軟質の地盤のところまで来てようやく食い込む。しかし半艇身近く後進しても食い込まない場合はそのまま後進しながら6倍から7倍のスコープが得られるようにアンカーロードを繰り出してクリートし、船が抵抗を感じるのを待つ。
たいがい2~3分以内にアンカーが海底に食込む。アンカーが食込んだら念のため更に2~3分後進をかけ続けてアンカーをしっかり食込ませる。

7倍のスコープを出しても食い込まない場合はアンカーが貝殻とか海草を拾っている可能性が強い。回収して清掃して打ち直す。

※アンカーがセットされたかあるいはまだ引きずられているかは指先をロードに当ててみればわかる。アンカーが食込んでいる時はロードが伸張するときにナイロン繊維が縮んで伸びる。しかしアンカーを引きずっている場合はナイロンラインはアンカーが海底の凸凹に合わせて動くたびに突然振動したり静かになったりする。

予定のスコープでアンカーが食い込んだらベアリングを取って走錨に備える。またGPSでも位置が移動したら警告するようにセットしておく。
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by mantenbosisan | 2009-06-01 00:24 | 係留・離着岸・アンカリング | Comments(0)
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