面舵、取り舵の由来の正しい説明
海保の「海のミニ知識」http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN3/sodan/topics/topics.htmlに載ってる面舵、取り舵の説明は理論的におかしい。
改めて調べてみた。
背景(基本知識)
・羅針盤(方位磁石)は中国で発明された。
・方位目盛が書かれた方位盤(羅盤)には、右回りに十二支(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)が記されており、子(ね)が北、卯(う)が東、午が(南)、酉(とり)が西の方角を表した。海図の南北方向の経線が子午線(しごせん)と呼ばれるのはそういう経緯からだ。
・方位盤(羅盤)の中央にはぐるぐる自由に回転していつでも子(北)を指す方位磁針を組み込んで使用したので羅針盤と言われた。
・もともと中國では磁針が指している方向に方位盤の子(北)を合わせて船首が向いてる方向を知ったのだが、日本では江戸時代に、“裏針(うらばり)”とか“逆針(さかばり)”と言って十二支が逆の左回りに記された日本独特の羅針盤が使われ、方位盤の子(北)を船首に合わせて固定して使った。そうすることによっていちいち方位盤の子(北)を磁針に合わせて船首が向いてる方位を割り出さなくても、磁針が指す方位を読み取りさえすれば船が向かってる方位がわかるという非常に頭のいい方法を編み出したわけだ。
・また、当時の和船の舵は舵輪ではなく舵柄(ヨットで言うティラー)を使っていたということも忘れてはならない。舵柄(ティラー)の操舵は船首方向に航行中、進行右側に舵柄を動かせば船は左に旋回し、進行左側に舵柄を動かせば船は右に旋回する。

上記の背景を知らなければ、なぜ面舵、取り舵と言うようになったのかが理解できない。
すなわち、江戸時代の和船の船針盤(ふなじしゃく)は通常の羅針盤とは逆に、船首に向かって右側が酉(とり)、左側が卯(う)になるように固定されているので、舵柄(ティラー)を右(酉)側に動かす(船は左方向に旋回する)ことを酉(とり)舵といい、左(卯)側に動かす(船は右に旋回する)ことを卯(う)の舵と呼んだことに由来し、後に「酉舵」は取り舵、「卯の舵」は面舵(おもかじ)となった。
出典 http://www.tdk.co.jp/techmag/inductive/200807/index.htm
そもそも常に向きが変わる方位盤なら船の左右と合う瞬間などなかなか無く、「酉舵」「卯の舵」と呼ぶ事がメリットになるかどうか。
価値ある良い記事に出会えてよかったです。
納得いただけて良かったです。
中には腑に落ちない記事もあるかと思いますが、その場合もご指摘いただければありがたいです。可能な限り正確な記事を残していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくおねがいします。

