満天☆の海-2

船の取り回しの原則

舵角
船の舵を切る最大角度(最大舵角)は35度と決まっている。これはこれ以上舵を切っても方向を変える効果はなくむしろ艇速を落とす悪影響が出るからだ。

ヨットは、帆走、機走にかかわらず回頭する時の最大舵角は最大で10度で良い。やり方は、いきなり10度舵を切るのではなく、まず5-6度切ってバウが回頭し始めたら回頭のスピードに合わせて必要量切るというやり方をする。
タッキングの場合でも通常は最大10度で良いが、微風の場合は舵効きが悪いのでいっぱいに切らなければならないかもしれない。


風の影響
港内は微速で機走することになるので風や潮の影響を受けやすい。係留場所への最終アプローチで減速すると一気に風下に流されることがある。

後進時は、風が強いとその影響を受けて思う方向に後進してくれないので注意。

風のある海面で機関前進で旋回する際、風上に向かって回頭するよりも風下側に回頭するほうが小さく旋回できる。すなわちポート(スタボー)から風が吹いて来ている時はスタボー(ポート)側に旋回すれば小さく回れる。

停止中のヨットは風を真横やや後方から受けて風下方向に漂流する。


一軸右回りプロペラの特性
ギアを前進に入れた時に、バウが左舷、スターンが右舷に振れる特性がある。
ギアを後進に入れた時に、バウが右舷、スターンが左舷に振れる特性(プロップウオーク)がある。これらの傾向はそれぞれ停止状態からギアを入れた時および微速航行時に顕著に表れる。


プロップウオーク
参考:プロップウオークと風の影響 防大ヨット部マニュアル
1)プロップウオーク(後進ギア操作時の特性)
   ⇒http://d-s-t.jp/maritime/manual/002_control_under_power/005.pdf
2)プロップウオークの限界
   ⇒http://d-s-t.jp/maritime/manual/002_control_under_power/006.pdf

バースから真っ直ぐ後ろにヨットを出したい時、このプロップウオークが働いてどうにも困る。必ずしもうまく行くかどうかわからないが舵2001年9月号で海洋計画の能崎智文氏が次の方法を紹介していた。一つはエンジン回転数を可能な限り落として舵効き最低速度で後進してみるというものだ。
もう一つは、後進惰性がついたらすぐにクラッチを中立にして舵を効かせるという方法だが、まず一回の操作だけではバースから出きれない。だから、後進に入れて動き始めたらすぐにニュートラル、また後進に入れて動き始めたらすぐにニュートラルという操作を繰り返し、後進時特性を消しながらバースを出ることになるだろう。
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一軸右回り船のその場回頭
反時計回りよりも、時計回り=右回りの方が回転半径が小さくて済む。
ラダーをスタボーいっぱいに切って固定した状態でギアの前進、後進の入れ替えを繰り返せば、船はほぼその場で時計回りの回頭を続ける。
ギアを後進に入れて舵効が発生し始めると右旋回の惰力を相殺してしまうので、その前に後進から前進に切り替えるのがポイント。
注:風があると必ずしもこのように船をコントロールできるとは限らない。
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キック
旋回する際はスターンが軌道より外にふくらむキック現象を頭に入れておく。この現象はキールのあるヨットよりもボートに大きく表れ、テンダーなどでは着岸時キックを利用してスターンを振って容易に横付けできる。
この旋回時にスターンが外にふくらむ現象は、転心(船の回転中心)が船首から1/3付近(注:これは前進時の位置で後進時の転心は重心より船尾よりに移動する)にあることから表れる現象ではないかと想像できる。
車との相違:車の転心点は車体中心線上の後端から1/3にあるのでカーブする時に車の後端が外にふくらむことはないが、逆に内輪差という問題が起こる。
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下記の図(舵 操船力向上委員会)はちょっとオーバーで編出量はこんなに大きくないはずだが離岸に際しては注意。
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離着岸の原則
着岸時の最終アプローチでは45度で岸壁に向かうのが一般的だが、岸壁から比較的強い風が吹いている場合や、前後に船がいる狭いスペースに割り込む場合は岸壁に対してもっと大きな角度をつけてアプローチする必要がある。

岸壁に沿って平行に潮流や風がある時には、潮流(または風)に向かうようにするのが原則。すなわち潮流や風に沿って着岸地点に向かう場合は最終アプローチ前にUターンすることになる。

風が後ろから吹いてる時と前から吹いてる時は後進をかけて停めるタイミングが異なるので風の方向に注意。

最終的に、岸壁にほぼ平行、岸壁から1mくらい離して停止のつもりでいい。

停止位置直前で後進をかけても行き過ぎることが多い。後進をかけて瞬間的に止まったかに見えても止まりきれないことが多い。
着岸予定位置の1-2m位手前で後進をかけて停止するつもりでいい。その時の風の強さ、方向、艇の惰性速度などで異なる。

定位置に停まれなかった時、エンジンで前方に調整移動するのは簡単だが、後進はスターンが左に振れるのでやりにくい。


離岸は後進離岸が基本。
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by mantenbosisan | 2012-02-22 21:01 | 離着岸&アンカリング