満天☆の海-2

着岸操船 風上への着岸、狭いスペースへの着岸

その1)-風上への着岸&狭いスペースへの着岸

岸壁から沖に向かって風が吹いてる時の着岸は狭いスペースへの着岸方法と同じなので、ほぼ1艇分しか空いてないスペースへの着岸方法を図示する。
ポイントはスターンの係留位置に直角に向かう/回頭してバウが岸壁から1m位までに寄った時に、行き足が止まり、岸壁との角度が30-40度になっている/プロップウオークを使って接岸の3点だ。



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①スターンの係留位置(スペースに余裕があるならもう少し左)にほぼ直角くらいの角度で風に負けない速度で向かう。
②岸壁に残り1艇身になったらギヤをニュートラルにして右に大きく回頭してバウの係留位置に向かう。
 
下図の通り、岸壁まで1艇身の位置から直線を引くと45度となる(青線)が、その位置から大きく回頭しながら向かうので(赤線)バウの係留位置の前ではもっと浅い角度(30-40度くらい)になってるはずだ。当然より浅い角度の方が良い。

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バウが岸壁の係留位置から1m位になった時に(※1)舵を中央に戻しギヤを後進に入れて一吹かしする(※2そうするとプロップウオーク(一軸右回りプロペラ船の後進時の回転特性)でバウは右(沖側)に振られスターンが左(岸壁側)に寄るように旋回して岸壁に平行になって止まる。

1:この時岸壁との角度が30-40度で行き足がほぼ止まる位にしたい。速度が落ちきれてないと後進に入れてもすぐ止まらず前に他艇が停泊していたら衝突だ。またこの時岸壁との角度が45度以上あると、岸壁に接岸しきれないかもしれない。なぜなら岸壁との角度が大きいほど艇の旋回中心が岸壁から離れるからだ。後進時の旋回中心は前進時(バウから1/3)よりも少し後になる。

2:一吹きして艇が旋回し始めたらギヤをすぐニュートラルに戻すこと。そうすればほとんど後進しないで旋回できる。
 


下図は舵20061月号P-35 シングルハンドの基本の基本に載ってた図だが、同じ図が何度も使われており、いつも気になっていた。どこが間違ってるか考えてみよう。

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図①一艇分のスペースしかないのにスペースの中央付近に向首しているが、これでは無理。スターンの係留位置付近に向首すべき。モーターボートならキック現象を使って寄せることが出来るかもしれないが、キールのあるヨットはキック現象があまり大きくない。

図②右転のタイミングが岸壁まで2艇身の位置では早すぎる。1艇身くらいが妥当だろう。

図③の位置のような大角度からではプロップウオークを使って旋回して接岸するのは無理がある。なぜなら船の旋回中心が岸壁から離れ過ぎてるからだ。また、図ではバウ付近を中心に旋回しているがそんなことはありえない。後進時の旋回中心は前進時(バウから1/3)よりも少し後になる。

舵の説明でもっとも誤解を与えるのは図②から③の一連の説明の中で、「その場回頭」の手法で岸壁に寄せるような印象を与えている点だ。キールのあるヨットはモーターボートほどキック現象が大きくないので着岸地点の前でその場回頭しても岸壁に寄せきるのはなかなか難しい。重要なのは岸壁との角度が30-40度になって行き足がほぼ無くなった時にバウが岸壁から1m位に接近していることだ。その状態に持って行ければほぼ成功で、後はプロップウオークで寄せることが出来る。

下はまた別の舵の記事だ。2007年6月号。
図2「桟橋まで2艇身まで来たら」は「桟橋まで1艇身まで来たら」と読み替える。
図3「桟橋に45度くらいで突っ込んでいき」は「桟橋との角度が30-40度くらいになるように回頭して行き」と読み替える。

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その2)ー風上への着岸ー岸壁に平行に入って来る場合ー
参考 The Annapolis Book of Seamanship

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その3)ー風上への着岸ー櫛形桟橋の場合ー
参考 舵2009年12月号操船力向上委員会
岸壁係留などでは考えられないが、櫛形桟橋への係留ではaのように早めに桟橋に接近して平行にアプローチするケースが多いらしいが、これでは風に流されたりあるいは押されたりした時に舵で修正が効かないので、bのように直角に(=風に向かうように)アプローチして最後はプロップウオークを利用して桟橋に寄せる。

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by mantenbosisan | 2012-02-22 21:10 | 離着岸&アンカリング