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満天☆の海-2

地元でもこんなことになるという教訓

1)船舶事故等調査報告書平成26年9月25日 運輸安全委員会(海事専門部会)議決

事故等番号 2014横第45号

モーターボートXXX(34トン)は三浦市小網代湾での釣りを終え、三崎本港に向けて南西進していた。 船長は、西日が海面に反射して船首方が見えにくかったので、諸磯湾西方沖に設置された定置網のブイを視認することができず、GPSプロッター(定置網の位置が入ってなかった)を見ながら航行していた ところ、本件定置網のブイに目前で気付いて機関を中立とし、続けて後進としたが、17時10分ごろ、前進行きあしで本件定置網に乗り揚げ、本件定置網の垣網のロープを切断し、プロペラにロープが絡まって航行不能となった。船長は、海上保安庁及び本件定置網を所有する漁業協同組合に通報して救助を要請し、同組合所属の漁船の支援により、本件定置網から離脱した後、巡視艇にえい航されて三崎本港に入港した。

=地元とはいえ、濃霧とか強い西日あるいは夜間航行等の視界不良時に備えGPSに定置網の位置を入れておきさえすればこういうことにはならなかった。


2)平成27年横審第8号 裁決 言渡 年 月 日 平成27年7月17日

葉山町所在のマリーナ所属ヨット 亀城礁乗り揚げ 転覆 全損

神奈川県横須賀市荒埼西方沖合には,東西幅最大約1,000メートル南北幅最大約500メートルの亀城礁と称する険礁が拡延して,そのほぼ中央部に西方位標識である亀城礁灯標が設置されており,A受審人は,亀城礁付近を航行する際には,亀城礁灯標の西方沖合500メートルを確保して航行していた。

A受審人は,船長として操船指揮にあたり,小網代湾に到着して錨泊し,昼食を摂ったあと,抜錨して葉山町のマリーナへの帰航の途に就いた。

A受審人は,針路を亀城礁灯標の西方沖合500メートルに向く335度に定め,4.0ノットの速力(対地速力,以下同じ。)で,舵柄による手動操舵で進行した。

亀城礁灯標から169度1.12海里の地点に至ったとき,トローリングによる釣りを行うこととし,同乗者に亀城礁灯標の少し西側に向けるようにのみ指示して操舵を任せ,甲板上で釣りの準備を始めた。

しばらくしてからA受審人は,亀城礁灯標に接近する針路となっていることに気付いたが,亀城礁に接近すれば,海面の色の変化や波の立ち方で分かると思い,険礁に向かっていることに気付かず、亀城礁灯標から224度200メートルの地点において,険礁に乗り揚げた。

乗揚の結果,すぐに離礁したものの,浸水して機関が停止し,全員が他船に救助されたあと,バラストキールが脱落して転覆し,後に引き上げられたが,廃船処分となった。

=上記事故原因は一言で言うと船位の確認不十分という事になるが、同乗者の操船で亀城礁に接近する針路になっていることに船長は気付いたのだから針路を戻せと指示すべきところ、同乗者に遠慮してあまり細かいことを言いたくない。接近すれば危険かどうかわかるだろう、それから変針しても遅くないと思ったのがいけなかった。良く通る見なれた険礁でもこういうことが起こる。暗礁上の海面の色や波の立ち方はいつも同じというわけじゃない。また目測はその時の天気によっても狂いやすい。

KAKESU-3は亀城礁灯標西600m地点にウェイポイントを設定している。亀城礁に限らずコース近くに険礁がある場合はこれ以上接近してはならない地点にウェイポイントを設定してGPSに登録しているので大丈夫だ、と思ったが、安良里近辺はやってなかった。上記事故を教訓にして自戒。西伊豆海域の大縮尺海図は販売してないのだがなんとかしよう。


by mantenbosisan | 2017-08-30 21:47 | 緊急時対応 | Trackback | Comments(0)
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