白灯台は可航水域を示す左舷標識なのか?
ネットで見つけた運輸省の人が書いたエッセイ「みなとの白い灯台、赤い灯台」に「どこの港でも常に沖から岸に向かって右側に赤灯台,左側に白灯台が設置されていることに気がつかれたでしょうか」という記述があり、「岸に向かって」は港と岸を書き間違えただけのようだなと思ったのだが、続く文章がひどい。
「これにはちゃんとわけがあり,船舶が入港する際,自船が航路上のどの位置関係にいるか昼間でも認識できるよう,船の左舷標示が白色,右舷標示が赤と決められているためで,例えば左舷標識としての白灯台は航路または可航水域の左舷端を示し,その右側が安全に航行できるということになります」と書いてあるのだ。
あきらかに防波堤灯台の白灯台を浮標式の左舷標識と混同している。「海の道しるべ」を書いた第六海保に問い合わせたら、ある部局に回されて、なんと、こともあろうに現役の海保の担当官が「左舷標識としての白灯台は航路または可航水域の左舷端を示し,その右側が安全に航行できる」というのは正しい解釈だと言うのだ。これには開いた口がふさがらなかった。
しかし、管区ではなく霞が関の海上保安庁の海の相談室からは正しい答えが返ってきたので安心した。届いたメールには、「白灯台は港湾等の認知を目的とし港(水源)に向かって左舷側を標示する為の航路標識であり、従って、白灯台が航路または可航水域の左舷端を示し、その右側が安全に航行できるという解釈は間違ってます」と書いてあった。
海の安全を守り、取り締まる管区海保が航路標識の防波堤灯台について正しく認識してないという事は、航海者にとってはたまったものではないが、これが現実なのだ。航海者はいいかげんな情報に振り回されることなく、しっかりと海洋知識を身につけた上で海図を精査して自己の責任で航海をしなければならない。
資料:
航路標識を設置・管理するまでの流れ(第三管区海上保安本部)
航路標識の基本ルール
灯台のはなし
海の道しるべ

