満天☆の海-2

教訓海難・御前岩の北で転覆(ブローチング回避措置義務違反)

横浜地方海難審判所裁決22yh043

総トン数1.1トン、登録長6.77mの地頭方漁港所属の小型漁船岡村丸は、御前崎港東方沖合の御前岩周辺海域でイサキやタイの一本釣りを毎週末に1回程度行っており,以前帰航中に追い波を受けて下り斜面で速力が増すとともに舵が効かなくなるブローチング現象を体験し,仲間からも追い波についての注意を受け,危険性について承知していた。そして,当日は,電話で清水海上保安部発表の気象情報や天気予報を確認し,東寄りの風で波高が約1.5m程度であったことから,釣りができる状況と判断して出港したものであった。

07時59分少し過ぎ釣りをやめて帰港の為御前岩北方の新根と称する岩礁(御前岩灯標から358度(真方位,以下同じ。)1,200mの地点)から発進し,針路を防波堤(A)南側の港口に向く291度に定めたとき,付近海域には,東寄りの波浪があり,波速近くまで増速すると高起した追い波を右舷船尾方から受けてブローチング現象が生じるおそれのある状況であったが,この程度の波高なら無難に航行できるものと思い,斜め追い波を受けないように針路を変えるなり,舵効のある最小限の速力に調整するなど,ブローチング現象を回避するための措置を十分にとることなく,船外機を微速力前進にかけ,8.0ノットの速力(対地速力,以下同じ。)で手動操舵により航行した。

 こうして,岡村丸は,08時00分わずか前波速よりやや遅い8.0ノットの速力で続航していたところ,右舷船尾方約20度から寄せる高起した追い波によってブローチング現象を生じ,波頂付近の下り斜面で急激に右回頭しながら波谷に向かって左舷船首が突っ込み,通過した同波の背面で右舷側に大傾斜し,08時00分御前岩灯標から350度1,350mの地点において,復原力を喪失して転覆した。

当時,天候は曇で風力3の東風が吹き,付近には有義波高約1.5mの東寄りの波浪があった。

追記
気象庁、または海保で御前崎沖のピンポイント波高を発表してないはずなので、上記波高は静岡県西部かまたは東海海域東部の波高ではないかと思う。いずれにせよ御前崎を含むかなり広い海域を対象にした天気予報で、その有義波高が1.5mだったのだから、最大波高はその2倍すなわち3mだったことになる。
しかし、転覆事故を起こしたのは御前岩北方の水深10m未満の浅瀬だ。波は浅瀬に来ると急激に高くなる性質を持ってるのだから、事故現場の最大波高が3mだったと考えてはいけないはずだ。計算方法を知らないが、天気予報対象海域の波高よりもっと相当高い波に襲われた可能性がある。

御前岩回航ルートの設定は慎重に!!


[PR]
by mantenbosisan | 2018-02-01 17:52 | 航海情報駿河湾