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満天☆の海-2

The annapolis book of seamanship(アナポリス式シーマンシップ)を読んだことがあるかい

この本は1989年に鯨書房から出版されたヨットマン必携の名著で、30年前の本だが、クルージングヨットに乗る人には初心者からベテランまで是非読みこんでほしい本の一つです。序文で著者は次のように書いている。
あなたが航海についてのすべてを知っていると思い込む誤りを犯さないように願う。人はだれもすべてを知るわけにはいかない。だれもすべてを知ることはできない。」と

出版社 鯨書房(富山県)
著者 John Rousmaniere(ジョン・ルスマニア)日本科学技術情報センター訳
日本語タイトル アナポリス式シーマンシップ


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著者紹介

  John Rousmaniere(ジョン・ルスマニア)はセーリングに関する著述家として有名で彼の著書には15人のヨットマンが死亡するという 惨事になった1979年のファストネット・レースのことをその参加者の1人として書いて広い方面から賞讃の声を浴 びた「ファストネット・フォース10」や、アメリカズ・カップの優勝者完デニス・コナーのことを書いた「負けては言訳が たたない」など数冊がある。彼はまた以前Yachting誌の主筆もつとめ、 セーリングに関する彼の記事はさまざまな雑誌にも掲載された。国際級のヨットマンであるルスマニアは米国国内および世界チャンピオンのタイトルを数回獲得しており、大西洋横断レースにも数回出場しているベテランである。米国オリンピックヨット委員会の委員であり、1980年オリンピック選考会の委員長もつとめた。 



はじめに

  シーマンシップとは、「すべての場所で、また、すべてのあらゆる状況下で、船舶・舟艇を航行、操縦、保持する技術」と定義されている。この中には、1つの港から他の港へそれが5マイル離れていようと 5000マイル隔たっていようと、その間に船を航行させるのに必要なすべての技術が含まれている。準備し、航海し、荒天にも生き延びるなど、さらにその他すべての航海技術は生涯の研究に値し、また、 何世紀にもわたり通商航路の船員やアマチュアの船乗りはこうした技術を完成させるために多くの技法やシステムを作り出してきた。 航海の理論の若干を理解していれば感覚の均整がよくとれ、周井の空気や水に対して用心深くて鋭敏な人であれば誰でも、経験によってこうした技術を学び、マス ターすることは可能である。

  セイラーにとって最も複雑で魅惑的なものは、木と金属と布とファイバー
グラスで作られた愛すべき構造物で、帆走ヨットと呼ばれるものである。これはまさにジョゼフ・コンラッドが「海の鏡」の中に書いているように、「熟練者にあやつられたスクーナー、ヨール、カッターは、 あたかも理性的な力をもち、すばやく行動する才を与えられているかのように見える。(これは、優れた女性の乗っているスループやケッチでもまったく同様である)。 立派な航海術は つねに舵に始まるものであるから、この本の最初の部分で、帆船の舵柄や舵輪を通して感 知される船の固有の特性、すなわち船のバランスやスピードや安定性の利用の仕方について述べ、船と戦ったり、船が走るのを助ける話はあとにする。これら初めの章で述べるのは、 風をどうして前進の力に変えるか、セールをどのように制御して速くて安全な帆走のための 力を最大にしたり、またそれを減らしたりするか、といったことである。第1章と第2章では、 こうした点を初心のセイラーのために紹介する。もう少し経験のある人々は、第3章のセー ルのトリミングから読み始め、続いて天候の話に進まれてもよい。もし第1部があなたの役 に立ち、あなたの船が動き始めたならば、第II部は、あなたが湾や海峡(または大洋)で迷うことなく自分の進路を見つける方法をあなたに教える。航法についての多くの専門書は、この部分をブイや海図のような航海用具の詳細な記述から始め、それから極めて重要な 磁気羅針盤や、基本的な、また進んだ航海技法へと進んでいる。我々は考え方から出発 し、設備へと続け、安全で簡単な航法へのヒントで終ることとする。重要な見解や用具に ついては何回でも述べる。それは、多くの読者がこの本を参考書として使い、基本的な定義を見つけるために前に戻って読むような時間も忍耐もないだろうと思うからである。(な お、巻末には500語について用語解説を付し、各章のつながりを良くしている)。第II部の終わりの方の章に、ごく最近の目ざましいエレクトロニック利用航海用装置や新らしい航路規則に ついて述べる。第Ⅲ部は、前の第1 II部で述べた技術や概念に加えて、停泊の仕方 、荒天や緊急事態への対処、船の保守や乗組員の健康維持を取り扱う。これには良い判断と広い経験が必要であり、進んでこれらを学んでいかれるならば、あなたは新米水夫からセーラーに昇格することができる。また、そうなれば航海はあなたのすべての能力にとって報いられることの多いチャレンジとなるだろう。航海は古代の技術であると同時 に近代の技術であるから、この本には伝統的な技法から宇宙時代の技法までが取り入れてある。ここであなたは昔の船乗りが荒天を予知した歌とともにスピンネーカーのト リムの仕方も学ぶことになろう。この本には,電子計算機を使って航法の問題を解く公式 も出てくるし、海で暴風に遭遇したとき生き延びる古典的な戦術も載せてある。セーラー の古い敵である船酔いに対処する章もあるし、彼には新しい友である人工衛星を利用 する航法についても述べた。使用する船についても、例を挙げれば1300年前に聖ブレ ンダンを 乗せて大西洋を渡ったあじろ船から1980年代の競走用帆船にまで及んでい る。

  セーラーはふつう2つのグループに別けられる。すなわち、彼らはレースをするか、
それともクルージングするかである。私はこの両方をしてきて、今もそれを続けている。 目標はそれぞれ異なっているが、実質的には両者とも同じ教訓を教えている。私はレ ース中にバランスよく艇を走らせる方法について多くを学んだし、クルージングは航路案内についてさらに多くを 教えてくれたが、両方の航海が健全なセーラー糖神と船への感覚を鼓舞してくれた。またこの 本の中の多くの教科や実例はクルージングを行なう人々に向けられている。心の深い所では私 は自分をクルージンク派と思ってはいるが、速く効率的に航海することは、ゆっくり、怠けて 航海するよりは良いことだと信じている者である。速く走れば、停泊してからのんびりする時 間が多くとれるというものである。ほとんどの章に私自身の海上経験から引き出した有用な航海技術や、1979年のファストネットレースの際の強風についてBlue Jayの11周年に載せたものの紹介が入っている。これの経験は、基本的な知識を前提としたものであり、これらは、時に ベテランのセーラーを惑わすことさえある理論や用語や伝統のあいまいさを乗り切る近道でも ある。航海技術は、多くのセーラーが言うような複雑なものである必要はない。  

  シーマンシップを象徴する点でメリーランド州のアナポリス以上の所はない。チェザピー
クの水域にはアメリカ最後の商業用帆船が定期的に通っており、丘の上には合衆国の海軍大学 が建っている。ここでは海軍の提督ばかりでなく何千という有能なセーラーが世界で最大の海事指導施設の中で訓練を受けた。すべての候補生は、航海技術と航法の初歩を海上での経験と教室とで学ばなければならない。それらはこの本の大切な内容として使われている。アナポリス はセーラーのメッカであり、航海技術と海軍技能の源泉であって、何世代にもわたってセーラ ーを支え、活力を与えている。私はそこを1962年の対校レガッタで初めてセイリングし、その 後も何回となくここに来てレースをしたり、大学チームのコーチをしたり、海上の安全やオリ ンピック競技についてのブレンストーミングに参加した。もしこの本の中に海軍のやり方を反 映するようなテーマがあるとしたら、それは海上での雑事を片づける標準的な作業法を作り出 すことを強調している点である。陸軍の有名な原則は"KISS"ー「簡潔に馬鹿正直にやれ」 (Keep it simple,stupid)ーであるが、これは船上でも通用するもので、規則どおりに、冷 静に、順序立てて着実に行なえば災厄が入り込む余地はなく、まして遊びなど無縁である。こうした手順は独裁的な規律で強制される必要はなく、船上にあるセーラーめいめいの中に堅持 されるべきものである。

  この本を書くにあたり、技術用語の使用は最小限度にとどめ、ほとんどの場合、使用した最
初のときに定義を掲げ、用語解説も添えた。セーラーの言葉には、愉快になるほど一定の規律などないので、本文中では省いたが、用語解説ではいくつかの同義語を記しておいた。名誉ある伝統に従って、船のように品位のある物体を「それ(it)」と呼ぶことは到底できないものだから、船を呼ぶのに「彼女(she)」を使っている。女性の読者には、この用法にも、私の男性代名 詞の使用にもお怒りなきようお願いしておく。あなたが男性セーラーであろうと女性のセーラーであろうと、あなたの海上の毎日毎夜が私の送ってきたそれと同じように幸福で快適であることを祈り、またあなたが航海についてのすべてを知っていると思い込む誤りを犯さないように願う。人はだれもすべてを知るわけにはいかない。だれもすべてを知ることはできないのであるが、ここであなたは最小限すこしばかりを知ることになるだろう。(そう私は願うものである)

John Rousmaniere(ジョン・ルスマニア)



Part 3 SEAMANSHIP  Being Self-Sufficient and Surviving Heavy Weather Chapter 12の内容を一部紹介。


シーマンシップとは、もっとも広い意味ではあらゆる種類の状況、あらゆる天候条件でボートを楽しみ、これを安全に扱うことをいう。
基本的な船の取り扱いと操舵の原則とテクニックをマスターし、新しい技術の習得を続けながら、船上で自信を持って自給自足できる人のことである。アンカーリング、荒天下のセーリング、非常事態への対応、エクイップメントの保守ということはすべてシーマンならば心得ていなければならない。そしてシーマンシップの人間的要因、セーリングの心理的および肉体的側面についても考える。スキッパーはどうすればうまく命令することができ、クルーはどう従うのが最適か、けがをせずに様々な事柄に対処するにはどうすればよいか。これらのことはセーラーの生活をするうえでとても大切なことである。

以下略。


by mantenbosisan | 2019-09-05 11:46 | 運用全般 | Trackback | Comments(0)
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