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満天☆の海-2

グランドパッキンの調整、および水が出ない原因と処置

グランドパッキンの仕組みと調整方法

 スタンチューブの最も船尾寄りはプロペラシャフトの船体貫通部で、そこのわずかな隙間から海水がスタンチューブ内に入って来る。海水には潤滑と冷却という役目があるので海水の侵入を止めてしまってはいけない。入ってきた水は、スタンチューブ最船首部のグランドパッキンで船内への流入を防いでいるのだが、パッキン摺動部の潤滑と冷却のために完全に止水してはいけない。プロペラが回っている時に数秒に1滴くらい出て、エンジン停止中は1滴も出ないように調整する必要がある。漏水量過多になると船内に海水があふれることになるし、少なすぎると軸磨耗が生じて最悪シャフトを交換しなければならなくなる。シャフトが過熱してないかどうかも時々チェックが必要で、2級舶用機関整備士指導書には、パッキングランド(パッキン押さえ)の温度は海水温度+30度以内が適温なので、パッキンの締めすぎには注意を要すると書いてある。


 グランドパッキンはパッキングランド(パッキン押さえ)を押し込むことによって圧着されて断面積が広がりシャフトとスタンチューブの間の隙間を塞いでいる。従ってパッキングランドを強く押し込めば隙間量は狭くなるし、弱めれば隙間は広がる。とはいうものの、1年も2年も圧縮され続けていたパッキンはパッキングランドをわずかに緩めたくらいですぐに水の出が増えるというわけでもない。圧縮が戻るのに時間がかかることもある。パッキングランドの調整はダブルナットで行うのだが、通常はナットを1/4回転くらい緩めて様子を見る。調整量はほんのわずかだ。足りなければもう少し緩め、多すぎたら戻す。

 パッキン交換後は、適量の水が出ていたのに、12年経ったらパッキングランドを緩めても水の出が少な過ぎるあるいは全く出てこなくなることがある。何年も出てないけど大丈夫だというマリーナメカニックもいるようだが、あまり真似したくない。水が出て来ないのにはなにか原因があるはずだ。


船内側の原因と解決方法 : パッキンとパッキングランドの間の塩の固着、緑青

 パッキングランドの内側をチェックして、塩が固着してたり緑青がひどくなってたらダブルナットを抜き、パッキングランドを全開放して掃除すると水の出が回復する。パッキングランドを全開放したくらいでいきなり水が出てくるようなことはないので、この作業は係留したままでも出来る。心配ならダブルナットをいつでも締められる態勢でナットを緩め、水が出ないことを確認してからナットを抜いたらいい。


 下の写真は2009年海上でパッキングランドを外した時の状態
パッキン箱の中が写っている。パッキンはおしつぶされて圧着されて水の出る隙間が無いようにも見える。

グランドパッキンの調整、および水が出ない原因と処置_b0114415_21281151.jpg


船底側の原因と解決方法 : シャフトの船体への入口の詰まり(釣り糸、ゴミなど)

 2016年の瀬戸内海航海中に広島で上架した際、船体に入るところのシャフトに、釣り糸が何重にもぎっしりと巻き付いているのを見つけた。まるで機械で巻きつけたかのようにしっかりと巻き付いていたので目立たず最初は見落とすところだった。巻き込んでいた釣り糸はものすごい量で外すのにひどく手間がかかった。

 このように、釣り糸が巻き付いていたり、ゴミが隙間に詰まってたら海水はスタンチューブ側に入りこめないだろう。ダイバーに頼むか上架して除去するしかない。

 下の写真はシャフトの船体への入り口。この入口に付いているのはカットラスベアリング(軸受)だと思っていた(普通はみんなそう思ってる)のだが、動くので心配になって葉山マリーナ駐在のヤマハのメカニックに聞いたら(2011年)、「同型艇が葉山マリーナに数艇ある。このY28のシャフトの軸受けは内部に別にあって、船体入口にあるのは動いても良い部分だ」と言われた。



グランドパッキンの調整、および水が出ない原因と処置_b0114415_11390347.jpg




by mantenbosisan | 2019-09-19 08:05 | エンジン(トラブル) | Trackback | Comments(0)
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