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満天☆の海-2

インペラの点検と交換

インペラは冷却水ポンプ(以下海水ポンプと呼ぶ)のシャフト(軸)に嵌めこまれて回転し、海水(冷却水)を汲み上げて送り出す重要部品だが、ゴム製で破損しやすいので年1回は点検/交換するようにしたい。
また、冷却水バルブを開け忘れてエンジンを始動してインペラを空回りさせた場合とか、海水に混じった異物などでも破損するので、いつでも交換できるようにガスケット(以下パッキンと呼ぶ)と合わせて常時予備を保有しておく必要がある。
構造については⇒「冷却水ポンプの構造」

海水ポンプはクランク軸プーリーの裏側にある。
必要工具
インペラ取り外しに使うラジオペンチとボルトに使う径7のレンチ

作業手順
1)冷却水スルハルバルブを閉める。

2)海水ポンプのウエアプレート(以下蓋)を外す。
左上のボルト位置はクランク軸プーリーの裏の狭い場所にあり柄の長いレンチはつっかえて使えない。短かくて薄いレンチを用意しておく。

3)インペラを抜き取って点検する。
海水ポンプの蓋を外したらインペラを抜き取る。点検して亀裂が入ってたり欠けてないならまだ使えるが、前回交換から12か月以上経過している場合は、安全を見て新しいインペラに交換し、取り外したインペラを予備として保管する。

4)取り付け準備
①掃除
ポンプ側と、蓋にパッキンが破れてこびりついてるので、カッターナイフの背などできれいにそぎ落としておく。
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②ポンプ軸とインペラにグリースを塗布
ヤンマーの取説にはポンプ軸とインペラにグリースを塗布するように書いてある。インペラのグリースの塗布箇所は下図の通り。
グリースを塗る目的はあまりエンジンを動かさないでいるとくっついてしまう事があるので、それを防ぐ為なのだそうだ。
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5)ポンプ軸にインペラをはめる
注意点は二つ。
ポンプ軸の向きとインペラの真ん中のはめ合わせ部の向きを合わせること。
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もうひとつの注意点は、羽根を左回りになるように折り曲げてはめ込むことだ。そう取説には書いてあるが、なかなか思うようにならない。何枚か逆向きになってしまってもエンジンをかけてインペラが回り始めたら羽根の向きは正常に戻るはずだから気にしない。
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上記二点を注意すれば簡単にはまるかというとそういうわけでもない。ポンプ側受け口よりもインペラの羽根が大きくて出っ張るのでなかなかスムースに入ってくれない。
尚、インペラの奥行きも受け口よりやや厚く出来ているので、はめた時に受け口の中にぴったり収まらずわずかに外側に出るが、これは蓋をつけてボルトを締めこんでいけばぴったり収まるので、入れ方が悪いわけではない。

6)インペラを嵌め込んだら、パッキンと蓋を取りつける。
ここでまた苦労することになる。
パッキンは表裏無関係だが、形状はポンプの受け口に合わせてひしゃげた形をしているので、パッキンの向きに注意して受け口の形状に合わせて取り付けないと隙間が出来て水漏れをおこす。
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b0114415_2131274.jpgポンプにパッキンと蓋を置いてボルト留めするのだがその際パッキンが滑り落ちて困る。パッキンの上下左右の向きを確認後、パッキンと蓋を合わせて二つ一緒にポンプに当てて押さえておいて、ボルトb,cをボルト穴に軽くねじ込んでおき、それから難関のボルトaを取り付けると良いかもしれない。
ボルトは上、左下、右横の3個だが、上(a)のボルト位置がクランク軸プーリーの裏の狭い隙間なのでボルトを指で挟んでボルト穴に入れなければならずこれが不器用な人間にとっては難しいのだ。なかなか入らず、おかしな姿勢でやるのでそのうち体が痛くなる。

パッキンをはめる時に滑り落ちてしまうので極薄くシリコンを塗るという方法もある。蓋との間に隙間が出来てしまう恐れがあるので塗る場合はほんの微量塗り拡げるようにと代理店から言われている。(2008年7月記述)


上記はポンプを取り付けたままでインペラだけを外して交換する手順だが、ポンプそのものを外して手元において作業した方が急がばまわれで作業も早く済むかもしれない。もしパッキンを正しくつけて蓋がきちんと絞めこまれていたらインペラの蓋からの水漏れはありえない。ポンプの下の穴からしか水が洩れる場所は無い。このポンプの下の穴から水が洩れているならポンプの海水出口に異物が詰まったか、オイルシールが損傷しているかのどちらかだ。

インペラの破損と水漏れは関係ない。インペラが壊れていたら冷却水の出は悪くなるが、インペラの損傷が原因で水漏れは起きない。

航行中冷却水の出が悪くなった場合は、①冷却水ポンプがゴミを吸い込んでしまった為にインペラが作動不良を起こしたか、②インペラが破損してしまったか、③サーモスタットが破損したか、が疑われる。

まずインペラを交換してみるということになるが、予備の冷却水ポンプを用意しておいてポンプごと交換するという方法もある。ただし、インペラを装着したまま長期放置しておくと型崩れして破損の原因になるので使用直前にポンプに装着するようにと代理店に言われている。スペヤーポンプにインペラを装着しておくのはクルージングに出る時だけにしておいた方が良いかもしれない。

ポンプを交換しても駄目な場合はサーモスタットが怪しい。サーモスタットも壊れやすい部品だ。海水の冷たい東北や北海道などの海域以外はサーモスタットを取り外しても特に問題はないと代理店から言われているので、航海中にトラぶったら即外してしまうべきだろう。

by mantenbosisan | 2019-02-24 22:08 | エンジン(日常点検と定期整備) | Comments(2)
Commented by Crane Cape at 2011-06-16 21:31 x
始めまして、インペラ交換とポンプ シール交換をやり始めました。
貴ブログを参照させて頂いてます。
このページの記事では(インペラは左回りに回転する)
と書かれてます。
一方冷却水ポンプの構造 ヤブスコポンプではインペラは右周りになってますがこれはこのページの海水ポンプの海水出入り口が逆に付いてるからですね。

又ジョンソン社のインペラ羽根を購入しましたが「ポンプ内側に石油製品は塗布しないで下さい、と記入があり「グリセリンのみを使用のこと」と記入されてます。
ゴム製品のグリス等によるソルベントアタックによる破壊を防止しようとしてると思うのですが、如何でしょうか?
Commented by mantenbosisan at 2011-06-16 23:05
はじめまして。
とはいうものの私のブログは参考にはなりません。まったくの素人が聞いたり調べたりしたものを自分の備忘録兼後継者のための引き継ぐ書として書き留めているだけなので他の方の参考にはなりません。ご自分のエンジンメーカーの取説にしたがって整備するのが一番だと思います。
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