海水ポンプ(冷却水ポンプ)の構造
機関の冷却水ポンプは舶用機関においては非常に重要な装置であり、冷却水ポンプの故障は機関の過熱焼付きなど運転不能の重大事故となる。
何種類かあるが、以下はインペラを回転させて冷却水を圧送するタイプのヤブスコポンプの説明。
ヤブスコポンプ
ヤブスコポンプは、2・118図に示す如くケーシング内に収められた数枚のゴム製インペラを回転させて冷却水を圧送するポンプである。
インペラはケースと絶えず擦れ合って回転しているため、インペラの寿命が短く消耗品扱いとなる欠点はあるが構造が簡単で自吸性があり低速から高速回転まで確実に冷却水を圧送出来るため、中小形機関の冷却水ポンプとして広く用いられている。特に清水冷却機関の海水ポンプとして多く用いられている。
構造としてはケーシング内の一部にカムが設けてあり、このカムの部分ではインペラ間の空間が小さくなるが、カム部を過ぎた位置にある吸い込み口付近ではインペラ間の空間が拡大し負圧となるため冷却水が吸入されるようになっている。又出口付近ではカムによりインペラ間の空間が小さくなるので冷却水が吐出される。従ってカムが摩耗すればインペラ間で形成される空間の差が少なくなるので吐出量が少くなる。
このポンプの最大の欠点は水なしの空運転はインペラを短時間で損耗してしまうため絶対に空運転が出来ないことである。
又逆転するとインペラが反対に曲げられ、これを繰り返すと早期に折損するほか、砂や泥水等を吸い込むとインペラが早期に摩耗するなどの問題点がある。
インペラ軸の軸受けはグリースを封入したシール付ボールベアリングで支持されており、この部分へ冷却水が洩れないようにメカニカルシールなどの軸封装置が取り付けられている。
又泥水や砂が、水と共にインペラと軸の間にはいると軸が摩耗して使用出来なくなるので、インペラの軸穴端面にシールキャップなどを設けて異物の浸入を防止している。
ポンプ本体及びケーシングには一般に砲金鋳物を用い海水による耐食性を高めている。又軸はステンレス鋼製のものが多く使用され、歯車による駆動もあるが殆どはVプーリによるベルト駆動が採用されている。
(点検と整備について)
(イ)ゴムインペラやカムの摩耗及び損傷状況を調査し異常があれば交換する。
(ロ)軸とインペラの嵌合を点検しガタの大きいときは軸も交換する。


