人気ブログランキング |

満天☆の海-2

カテゴリ:帆走・機走( 13 )

ブローチングのメカニズムーヨット

1.ヨットのブローチング

ヨットのブローチングには2種類ある。一つはセールを展開しているヨットならではの強風時に発生するブローチングで、もう一つは動力船と同じく高波時に発生するブローチングだ。

1-1強風時に発生するブローチング

 強風時のブローチングはフリー帆走のスピンランでは頻繁に見かける光景だ。

 

フリーではセールを外側に出すのでCE(セールの効果中心)CLR(艇の側面抵抗中心)から外側に離れてウェザーヘルムが増大する。そして風が強まれば強まるほどウェザーヘルムが増大するのだが、それに加えてヒールすれば(ローリングした場合も)、CE(セールの効果中心)CLR(艇の側面抵抗中心)から外側にずれるので、更に増大する。

 

強風下ではこのように強いウェザーが発生するので、スピン帆走時はもちろんのことスピンなしのブロードリーチでも、強いブローを受けてオーバーヒールさせてしまうと舵も効かなくなり、一気に風上に切り上って、へたをするとそのまま横転する。これが強風時の一般的なブローチングで、当然だがスピン展開時の方が派手にブローチングする。 幸いにしてヨットの復原力は大きいので海難にまで至る例は稀だが、波高の高い時はちょっと厄介なことになる。

ブロードリーチ(クオーターリーとも言う)は、アビームより下(シモ)の帆走の中では最も速く走れるゾーンで、ほとんどアビームと変わらないスピードが出るが、その分、強風時は非常に強いウェザーヘルムで風上に切り上るのを舵で防ぎ切れなくなることもある。KAKESU-3ではワンランク上のオートパイロット(ST2000)を付けているが、激しい力で抑えつけられてティラーから外せなくなり、フリーズ状態になったまま急激に風上に切り上り、非常に怖い思いをしたことがあった。強風時のオートパイロットの使用は要注意だ。

1-2高波時に発生するブローチング

  ブローチングのメカニズムー小型船に書いたが、ブローチングは船尾後方20°から40°からの斜め追い波時がもっとも発生しやすいとのことだ。風と波が同方向とするならば、それはヨットではブロードリーチくらいかと思われる。

船尾後方20°から40°方向からの斜め追い波に追いつかれたヨットは、船尾が波の谷間から頂部に至る過程で前傾姿勢になる。バウが沈みスターンが上ればCLRが前方に移動するので、1-1記載のフリー帆走時のウエザーヘルムに加えてまた新たなウェザーヘルムが発生する。

そして追い波時にはヨーイングも発生している。ヨーイングを誘発する波の回転運動の水流は、この波の谷間では波の進行方向とは逆向きに流れるので、右舷斜め後方から追い波(&風)を受けるヨットはバウを右方向に振られ、左舷斜め後方から波(&風)を受けるヨットはバウを左方向に振られる。すなわち、波と風が同方向とするならばウェザーヘルムと同じ風上方向に振られるのだ。

波の回転運動の強大な水のエネルギーとウェザーヘルムが重なってバウは一気に切り上りながらヒールする。ヒールすれば更にウェザーは増し、舵を切っても効かず、オーバーヒールしてそのまま横転ということになる。



b0114415_22070350.jpg

水流のエネルギーとウェザーヘルムは共に波が高いほど強くなるし、傾斜もきつくなるので波乗り(サーフィン)状態になって舵効を失いやすい。蛇効を失ってバウがフラフラしてる時に、上述のようなヨーイングが発生すれば横転しやすいことは容易に想像つく。

これが斜め後方からの追い波時のブローチングだ。そこに波が崩れて来て覆いかぶさるとかなり深刻な事態に発展する。

 

 

2.ブローチングを防ぐには

ブローチング防止策を、ウェザーヘルム対策、ヨーイング対策、両者に共通する対策の三つに分けて整理してみた。

2-1 ウエザーヘルム、ヨーイング共通対策

  大舵は厳禁、小舵角ですばやく対応

波の下り斜面ではバウを振られやすいが、大舵を取ると水流が乱れて舵が効かなくなるので大舵は禁物だ。周囲の状況を注意深く観察し、船首尾が振られる予兆を感じたら素早く小刻みに対応して針路修正する。

セーリングクルーザー虎の巻(舵社)には次のように書いてある。波に追い越され、バウが下がり始めるとバウは風上に振られるので、その直前にベアする方向に舵を切る。少ない舵角で、舵を切るというより当てる感じだ。ヨットがラフし始めてからそれを修正しようとすると、舵角は大きくなってしまう。大きく舵を切ると大きく戻さなければならなくなり、蛇行も大きくなる。船がラフし始める前の早いタイミングで舵を切ることで、少ない舵角で済み、よりまっすぐ、ブローチングしにくく走りぬくことが出来る。

関根照久さんの「クルーザーの乗り方」(舵19922月号から連載)には次のように書いてある。舵角を大きく切り過ぎると水流が乱れて舵が効かなくなります(ストール、失速)。このような時にはヘルムスマンはラダリングするような調子で急激にラダーを動かし、水流をラダー表面から離さないようにします。

 

 

2-2ウェザーヘルム対策

早めのリーフ

後方海面に注意して海が荒れてきたら風上航の時よりも早めにリーフしてウェザーヘルムを減らす。大舵を防ぐ為にも早めのリーフが大事。

ブームバング、バックステイを緩める

ブームバングは緩めてるか?ブローチングしそうになったら直ちにバングを緩めて風を抜き、ウェザーヘルムを減らす必要がある。いくらシートを出してもセールはサイドステーやスプレッダーに当たって(スプレッダーが後にスウェプトバックしている艇は特に)それ以上セールが出ず風を抜けない。そうなると風を逃がすにはバングしかない。また、バックステイが引きっぱなしになってるならすぐにフリーにしよう。バックステイを引けばマストが後傾してウェザーが出る。バックステイは風上帆走時にセールトリムするためのもので、それ以外の時に引くのは百害あって一利なし。

メンを下しジブ1枚にする

ジブ一枚にすればウェザーが減り、追っ手なのでマストへの負担も心配ない。その後の上りのレグがなければジブ一枚にするのは良い方法かもしれない。関根さんの「クルーザーの乗り方」にも次のように書いてある。風下に向かうコースの時には、メインを下してジブだけにするとブームパンチの心配もなく、船を風上に向けないでいつでもセールを下せます(ファーラーなら更に簡単)。その上ブローチングもしにくくなって楽に走れます。この状態ならインボードエンジンを積んでいても回す必要はないでしょう。

スターントリムにする

ブローチングしそうになったら乗員がいる時はなるべくコクピット後方に集めてスターントリムにすると、バウが上ってウェザーヘルムが減り、且つラダーが深く沈んで操船しやすくなる。クルージング艇は航海用の荷物をバウバースに詰め込んでたりする。見直そう。

2-3ヨーイング対策

  ヨーイングをピッチングやローリングと同じ括りでとらえてはいけない。これは、ブローチングのメカニズムー小型船に書いた通り、舵では対抗できないほどの大きなエネルギーを持つ波の水流現象なのだ。

 

  斜め追い波を避け波に直角に

なぜかというと、ヨーイングを起こす波の回転運動の水流は波に直角なので斜め追い波(ヨットは波に対して斜めになっている)だと上記ヨーイング図の通りまともに影響を受けるからだ。船尾が振られるようなら、船尾からロープを流したりタイヤを曳航する方法も推奨されている。

尚、追い波に直角にすると、ヨーイング対策にはなるが、真追っ手(デッドラン)になるだろうからローリングが増える欠点が生じ、ワイルドジャイブが心配になる。強風下では、たとえブームプリベンターがあっても、そのロープを引きちぎられたり、ブロックを飛ばされたりする危険がある。やはりメンを下してジブ一枚にする方が良いのかもしれない。但しその後上りのレグがなければ。

波に合わせて舵を取る

波は後ろから来て追い越して行く。波に追いつかれたら①波の前斜面にスターンを持ち上げられてバウが下がり始める。②波頂が通り過ぎたら波の背面でスターンが下がりバウは上る。

①で、スターンが持ち上げられたらウェザーが強まってバウが波に対して横向きになろうとして、波の回転運動(ヨーイング)の水流をバウに受け易くなる。したがって、その前に先手を打ってスターンが持ち上げられた瞬間リーサイドに舵を取り(あるいは舵を当て)、波に対して直角を維持する。

②の波の背面では波の回転運動(ヨーイング)によってリーサイドに振られるので、波頭が艇を追い越した瞬間にウェザーサイドに舵を取る、あるいは舵を当てる。

サーフィンに注意

波は後から来る。追いついて来た波の前面でややラフしながらスピードをつけ、パンピングして勢いをつけながら波に乗る。うまく波に乗ることが出来たら一気に加速して快適なサーフィンを楽しめるのだが、それもほどほどにだ。大波になってきたら逆に波に乗らないように注意しなければならない。波速に同調して舵効を失えばヨーイングの影響を受けやすくなりブローチングだ。小型船では、波速が船速より早い場合、波に乗らないように、追いつかれた波の前面で舵が効く最低速度まで減速して、波をやり過ごすのが追波航行の基本だとしている。

また、
Practical seamanship illustrated
(舵社)にはこう書いてある。サーフィンしながらラダーコントロール出来るくらいのセール面積を選択しなければなりません。サーフィン中のブローチングが一番怖いです。

早めの進路変更

保針性が悪くなる、舵が利かない、急激な横揺れがある、などを察知したら追い波を受けない方向にコースを変更する。

ところで、池川ヨット工房の海の広場55荒天帆走にも次のような記述があるが、残念ながら理解できない。「風下側に陸地や危険なものがなければ、当然クォーターリーくらいの楽な走りで風下に大きな波をアップダウンしながら下っていく走り方になります。そのときに波の頂上で後ろから波が船を追い抜いていく時がたまにあります。アレッ ラダーが空中に出たのではと思うくらい舵が軽くなります。バラストがあるヨットではそんなことはありませんが、このときが波舵を切る瞬間です。この瞬間の後、波が船より速く走るので船は水に対してバックすることになり、いきなり今までと違う方向に当て舵をしなければ船首を大きく風上側に回されて波に横っ腹をさらすことになり、ブローチングと言う横倒しの状態になります。


上記下線部分が理解できないのだ。

波がヨットを追い越したら、すなわち波頭が通り過ぎたらヨットは波の背面にあるので、バウが持ち上がりスターンが下がった状態になるはずで、この時は、バウは風下に落とされると思うのだがなあ…??

どうも池川ヨット工房の言ってることがわからない。


3.参考資料 
Practical seamanship illustrated、セーリングクルーザー虎の巻、セールトリム虎の巻、クルーザー運用の実務―以上舵社 クルーザーの乗り方 関根照久 舵19922月号~19935月号(国会図書館デジタルコレクションで読める)
池川ヨット工房海の広場55荒天帆走http://ikegawa-yacht.com/20uminohiroba/umi55.htm



by mantenbosisan | 2018-02-22 20:42 | 帆走・機走 | Comments(0)

ブローチングのメカニズムー小型船

1、海難審判での事例

教訓海難・御前岩の北で転覆(ブローチング回避措置義務違反)で採り上げた海難審判記録では、ブローチング現象を「波速近くまで増速すると、高起した追い波を斜め船尾方から受けて、下り斜面で速力が増すとともに舵が効かなくなる」現象であるとし、回避策として「斜め追い波を受けないように針路を変えるなり,舵効のある最小限の速力に調整するなど」が必要であったとしていた。

ところが該船はそのようなブローチング回避策を取ることなく、波速よりやや遅い8.0ノットの速力で続航し,右舷船尾方約20度から寄せる高起した追い波によってブローチング現象を生じ,波頂付近の下り斜面で急激に右回頭しながら波谷に向かって左舷船首が突っ込み,通過した同波の背面で右舷側に大傾斜し,復原力を喪失して転覆した。というものだった。

天気予報では,風力3、有義波高約1.5mの東寄りの波浪があったということなので、その海域では10-20分おきに1.5倍の高波が、23時間おきには2倍の高波が来ていた事になる。しかし、水深が変化することで生じる波の浅水変形の特徴は、浅くなるにつれて、波長が短く、波速は遅く、波高は大きくなるので、海難現場の御前岩の浅瀬では波高はもっと高くなっていたはずだ。


2.小型船舶のブローチング

小型船舶のブローチングはネットで探すと海保他いろんなところで採り上げられており、それらをまとめるとだいたい次のようになる。

荒天時に斜め後方からの追い波に押されて下り斜面で加速し、波の速度に同調していわゆる波乗り状態になって舵が効かなくなることがある(注:船と波が同じ速度になれば停止しているのと同じ状態なので舵は効かない)。この状態に陥った船は、船尾が波の谷間から頂部に至る過程で、波の回転運動による水流によってヨーイングが誘発されて船首が瞬間的に振られ、横向きになったところで波に叩かれて横転する。これがブローチングという現象で、波の回転運動による水流のエネルギーは舵効をはるかに超える大きな力とのことだ。

われら海族(http://www.wareraumizoku.com/safetyproceeding.html)のサイトでは次のように解説している。
追い波順走中に高速(特に
20knt以上、小型ボートなどでは15knt以下でも注意)航行する場合※、船は波に押され波に同調するかの速度まで加速されることがある。いわゆる波乗り状態であるが、この状態に陥った船は、船尾が波の谷間(低部)から頂部に至るタイミングで、(1)急激なヨーイング運動が誘発されると共に(2)復原力喪失状態が持続する。この結果船は波の進行と直角方向に回頭しつつ大傾斜する。つまり波間に横たわろうとする。ここに横波がデッキに打ち上げる、積み荷が崩れる、自由水影響、突風などの他の傾斜モーメントが重なると船はさらに傾き、ついには耐航性が損なわれる。復原モーメントの限界を超え転覆するということになるのです。小型・高速船で起こりやすい。

※波速を沖合で18-20knくらい、浅瀬で15knくらいと想定しているようだ。



3.ヨーイング現象とは

われら海族のサイト http://www.wareraumizoku.com/safetyproceeding.htmlで以下のようにわかりやすく解説してくれている。

波には回転運動(水の移動)が起こっていて、波頂部ではその伝搬方向に、波底部ではそれとは逆方向に水が移動している。この力は瞬間的に船を回頭させるモーメントとなり、船が針路から逸れる現象を起こす。これをヨーイングという。 1 軽貨のとき、2 波長が船の長さと同程度で影響を受けやすい。


上記解説を読んで次のように理解した。

波の回転運動の水流は、波の谷では波の進行方向とは逆方向に流れ、波の頂では波と同方向ということなので、仮に右斜め後方からの追い波を受けて走ってる船は、下り斜面の波の谷で船首は左斜め前方から水流を受けて右方向に振られ、波頂にある船尾は左方向に押されるので、船は右向きに旋回しようとする。左斜め後方からの追い波ならこの逆に振られる。

この水流の力は、瞬間的に船を回頭させるモーメントとなり、船が針路から逸れる現象を起こす。舵で対抗できるような力ではない。

しかし、この強大なエネルギーを持つ水流は波に直角に流れるので、船の針路を波に対して正確に直角に維持して走ることが出来ればこの影響を免れる。ブローチングを避けるために波に対して直角に走れと言われるのはそのためなのだろう。


4.ブローチングを避ける上での留意事項

いろんな解説書に書いてあるが、大雑把にまとめてみた。

①斜め追い波を避け、追い波に直角に走る

斜め追波は危険なのでさけるべきだ。特に後方2040度からの斜め追い波が危ない。

ブローチングを避けるためには、追い波に対し直角に走るのが良い。

とはいうものの、一般的に追い波では波頂で船体が不安定になり、下り斜面でサーフィン状態(滑走)となり舵効を失って転覆する危険があることは忘れないように。

②早めの進路変更

保針性が悪くなる、舵が利かない、急激な横揺れがある、などのブローチングの兆候を察知したら、直ちに追い波を受けない方向に進路を変更する。

③船速が波速より少し速く、ゆっくりと波を追い越して進む場合

下り斜面を避けて波の上り斜面にはり付くように速度調整して進むのが良い。

④船速が波速より遅く追い波に追い越されて進む場合

波より少し遅い位の速度が追い波の下り斜面で波速に同調しやすいもっとも危険な速度なので、舵効が効く最低速度に落として危険なサーフィン状態となるのを避け、なるべく早く波を通過させ、次の波の上り斜面ではできるだけ長い時間波の斜面につかまるよう増速する。

⑤大舵は厳禁。小舵角で素早い対応が大事

下り斜面はバウを振られやすい。大舵を取ると水流が乱れて舵が効かなくなるので大舵は避ける。船首尾が振られる予兆を感じたら素早く小刻みに対応して針路修正をすればある程度ブローチングは防げる。

⑥その他気が付いたもろもの。

後方海面のワッチ

バウトリムを避け重量物を船尾方向に集めてスターントリムにする。

重心を下げる

荷物の固縛

小さく浅い舵は波浪で舵が水面から出て舵が効かずブローチングをおこしやすいので大きな舵に変える。



5.参考資料

小型船舶安全運航の為の観天望気を入れた気象海象の話 

http://www.shoankyo.or.jp/kisyou/pdf/khn2.pdf

気象の話波の話 

http://www13.plala.or.jp/oosimakisyou/3nami.html

楽しい気象学入門

https://www.padi.co.jp/scuba-diving/columns/weather-abc/5/ 

われら海族

http://www.wareraumizoku.com/safetyproceeding.html

追い波を受けての航行 関東小型船安全協会

http://www.kaiho.mlit.go.jp/09kanku/koutsubu/anzenkakuho/kantousyouan.pdf

ブローチングを回避するために 中部小型船安全協会

http://www.kaiho.mlit.go.jp/09kanku/koutsubu/anzenkakuho/tyubusyouan.pdf

追い波でこわいブローチング 日本海難防止協会 高松海上保安部

http://www.kaiho.mlit.go.jp/06kanku/takamatsu/d_safety_navigation/d_04anzen/d_4_16iroha/d_4_27_o/d_4_27.html

日本財団図書館「銚子地区安全講習会」事業実施記録書・テキスト

https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1997/00428/mokuji.htm

宮崎海上保安部-小型船事故防止のポイント 転覆のメカニズムと対策について

http://www.kaiho.mlit.go.jp/10kanku/miyazaki/uminoanzen/kogatasen-point/date/tenpukuziko/kogatasen-point.htm

海保の記事はほとんど小安協などからの転載だが、宮崎海上保安部の記事は独自の視点でまとめたもののようで力作だ。






by mantenbosisan | 2018-02-19 14:45 | 帆走・機走 | Comments(0)

シングルハンドのフリー帆走、強風時はこわいぞ!

瞬間最大風速が10m以下の風ならそれほど心配ないが、突風は突然襲ってくる。
なにが怖いかというと、ブローチングとジャイブだ。これを安全にかわす自信がなければ強風が予想される時に船を出してはいけない。

by mantenbosisan | 2016-11-26 14:45 | 帆走・機走 | Comments(0)

船の取り回しの原則ー3 プロップウオーク対策

バースから真っ直ぐ後ろにヨットを出したい時、プロップウオークが働いてどうにも困る。必ずしもうまく行くかどうかわからないが舵2001年9月号で海洋計画の能崎智文氏が次の方法を紹介していた。

エンジン回転数を可能な限り落として舵効き最低速度で後進し、後進惰性がついたらすぐにクラッチを中立にして舵を効かせるという方法だ。

後進、中立、後進、中立という操作を何回か繰り返してバースを出るという事になるだろう。
プロップウオークは一軸右回りプロペラの特性で後進時にバウが右舷、スターンが左舷に振れる。この特性は停止状態からギアを入れた時および微速航行時に顕著に表れる。詳しくは「船の取り回しの原則ー1」を参照。
この特性はペラが回っているから起こる現象なのだからペラの回転を止めれば消えるはずで、能崎氏の紹介しているやり方は至極理にかなっている。

2005.2.13 yachtBBSにも下記のような投稿文が載っていた。
○機走で後進させる時に舵がきかないことがあります。
後進をかけると舵の向きに関係無くスターンを左に振ってしまいます。

○これはプロップウォークという現象で、ペラの下部の下側のほうが水面に近い上側よりもしっかりと水を掻いて結果的に、横方向に働く力に差が出るために起こります。
前進でも起きていますが、ペラの水流が舵にあたるので舵の利きには問題は起こりません。
後進のとき、スターンを振りながらでも少しでも艇が後進していればクラッチをニュートラルにすることでプロップウォークは消えて舵が利くので進路を修正して再度クラッチを後進にする、この繰り返しで艇速がつけば舵がプロップウォークに負けないようになりコントロールがうまくできます。

by mantenbosisan | 2012-02-22 21:03 | 帆走・機走 | Comments(0)

船の取り回しの原則-2

後進時はラダーブレードに大きな水圧を受けるので、舵を持って行かれてびっくりすることがある。後進するときはティラーをしっかり握って小さな舵角で操船すること。

クルージングヨットに多いスケグ付ラダーは後進時の舵効きが悪い。後進して回頭する時に舵を切ってもスケグ部分は動かないので、スケグに水流を受けるからだ。舵を大きく切っても言うことを聞かないので、小さい舵角で後進すること。

バースから出る際、後進しながら回頭し、それから前進して方向転換するような場合、後進、回頭、機関中立、それから機関前進となるわけだが、前進に入れてもすぐには後進の行き足は止まらない。後進の行き足がまだ残ってるうちには進行方向に舵を切ってもダメだ。まず回転を上げて後進の行き足を完全に止めよう。後進の行き足が止まり艇が前進し始めてから向かいたい方向に舵を切る。ギヤを前進に入れたとしても後進惰性が消えないうちに舵を切っても舵を切った方向に行ってくれないという事を覚えておこう。

港内は微速が原則
モーターボート等と比べてヨットのラダーブレードは大きいし、大きなキールを持ってるので微速前進でも、ギヤを中立にして惰性で走っていても舵効きは大変良いのだが、その一方で、停止しようと思ってギヤを後進に入れてもエンジンが小さいのでなかなか止まってくれない。そういう点は渡船や漁船と大違いだ。彼らの操船を見ていてうらやましくなるがヨットのエンジンは小さいので同じようにしようと思っても無理だ。小さなエンジンのヨットは急には止まれない。だから、常に港内では微速、惰性で操船したい。

by mantenbosisan | 2012-02-22 21:02 | 帆走・機走 | Comments(0)

船の取り回しの原則

舵角
船の舵を切る最大角度(最大舵角)は35度と決まっている。これはこれ以上舵を切っても方向を変える効果はなくむしろ艇速を落とす悪影響が出るからだ。

ヨットは、帆走、機走にかかわらず回頭する時の最大舵角は最大で10度で良い。やり方は、いきなり10度舵を切るのではなく、まず5-6度切ってバウが回頭し始めたら回頭のスピードに合わせて必要量切るというやり方をする。
タッキングの場合でも通常は最大10度で良いが、微風の場合は舵効きが悪いのでいっぱいに切らなければならないかもしれない。


風の影響
港内は微速で機走することになるので風や潮の影響を受けやすい。係留場所への最終アプローチで減速すると一気に風下に流されることがある。

後進時は、風が強いとその影響を受けて思う方向に後進してくれないので注意。

風のある海面で機関前進で旋回する際、風上に向かって回頭するよりも風下側に回頭するほうが小さく旋回できる。すなわちポート(スタボー)から風が吹いて来ている時はスタボー(ポート)側に旋回すれば小さく回れる。

停止中のヨットは風を真横やや後方から受けて風下方向に漂流する。


一軸右回りプロペラの特性
ギアを前進に入れた時に、バウが左舷、スターンが右舷に振れる特性がある。
ギアを後進に入れた時に、バウが右舷、スターンが左舷に振れる特性(プロップウオーク)がある。これらの傾向はそれぞれ停止状態からギアを入れた時および微速航行時に顕著に表れる。


プロップウオーク
参考:プロップウオークと風の影響 防大ヨット部マニュアル
1)プロップウオーク(後進ギア操作時の特性)
   ⇒http://d-s-t.jp/maritime/manual/002_control_under_power/005.pdf
2)プロップウオークの限界
   ⇒http://d-s-t.jp/maritime/manual/002_control_under_power/006.pdf

バースから真っ直ぐ後ろにヨットを出したい時、このプロップウオークが働いてどうにも困る。「船の取り回しの原則ー3 プロップウオーク対策」を参照。

b0114415_101212.jpg


一軸右回り船のその場回頭
反時計回りよりも、時計回り=右回りの方が回転半径が小さくて済む。
ラダーをスタボーいっぱいに切って固定した状態でギアの前進、後進の入れ替えを繰り返せば、船はほぼその場で時計回りの回頭を続ける。
ギアを後進に入れて舵効が発生し始めると右旋回の惰力を相殺してしまうので、その前に後進から前進に切り替えるのがポイント。
注:風があると必ずしもこのように船をコントロールできるとは限らない。

b0114415_1030640.jpg





キック
旋回する際はスターンが軌道より外にふくらむキック現象を頭に入れておく。この現象はキールのあるヨットよりもボートに大きく表れ、テンダーなどでは着岸時キックを利用してスターンを振って容易に横付けできる。
この旋回時にスターンが外にふくらむ現象は、転心(船の回転中心)が船首から1/3付近(注:これは前進時の位置で後進時の転心は重心より船尾よりに移動する)にあることから表れる現象ではないかと想像できる。
車との相違:車の転心点は車体中心線上の後端から1/3にあるのでカーブする時に車の後端が外にふくらむことはないが、逆に内輪差という問題が起こる。

b0114415_2058622.jpg



下記の図(舵 操船力向上委員会)はちょっとオーバーで編出量はこんなに大きくないはずだが離岸に際しては注意。

b0114415_2114660.jpg




離着岸の原則
着岸時の最終アプローチでは45度で岸壁に向かうのが一般的だが、岸壁から比較的強い風が吹いている場合や、前後に船がいる狭いスペースに割り込む場合は岸壁に対してもっと大きな角度をつけてアプローチする必要がある。

岸壁に沿って平行に潮流や風がある時には、潮流(または風)に向かうようにするのが原則。すなわち潮流や風に沿って着岸地点に向かう場合は最終アプローチ前にUターンすることになる。

風が後ろから吹いてる時と前から吹いてる時は後進をかけて停めるタイミングが異なるので風の方向に注意。

最終的に、岸壁にほぼ平行、岸壁から1mくらい離して停止のつもりでいい。

停止位置直前で後進をかけても行き過ぎることが多い。後進をかけて瞬間的に止まったかに見えても止まりきれないことが多い。
着岸予定位置の1-2m位手前で後進をかけて停止するつもりでいい。その時の風の強さ、方向、艇の惰性速度などで異なる。

定位置に停まれなかった時、エンジンで前方に調整移動するのは簡単だが、後進はスターンが左に振れるのでやりにくい。


離岸は後進離岸が基本。


by mantenbosisan | 2012-02-22 21:01 | 帆走・機走 | Comments(0)

強風時の留意事項その2

荒天時の機走には危険がいっぱい
荒天時の上りレグは機帆走主体になるが、荒天時の上りレグでは波にたたかれて落とされるので機帆走することが多くなるが、その場合インペラーやサーモスタットなどの単純な故障に加え下記のような荒天時特有のトラブルもあるので、その時どう対処したらよいかを緊急時マニュアルに整理しておいた方が良い。問題が発生してからその場で考えてもよい知恵は生まれない。「酔っ払い2分の1、海上3分の1、時化の海上10分の1」と練達は言っていた。

①エアー噛みと燃料パイプの詰まり
燃料タンクが揺すぶられ続けていると燃料にエアーが混入したり、燃料タンクの下に溜まっていたゴミが巻き上がって燃料パイプを詰まらせたりする。エアー噛みを防ぐには燃料タンクを常時満タンにしておけばよいが、燃料タンクの掃除は簡単じゃない。
②インペラーの空転による破損
海が荒れてる時には何回かに1回は大波が来るが、波でスターンが持ち上げられた時やブローチングした時に運悪く船底の冷却水取り入れ口が海面上に出て海水が取り込めなくなるとインペラが空転して破損する。ブローチングをくらった時に冷却水取り入れ口が海面上に出てしまうとインペラが空転して破損してしまうことになる。
③機走時のロープや流れ網、海草の巻き込みリスクはいつもあるが、荒天時にはそのリスクは更に増える。ロープを巻いたらエンジントラブルよりこわい⇒ペラにロープを巻いてあわや沈没だったらしい


フリーに入ったらリーフは早めに

風が強くなってることに気づきにくい。本当に強くなってからのリーフ作業は大変だ。

フリーに入ったらエンジンを停止しよう
上りと違ってフリーではエンジンの力を借りる必要はないので、無用なトラブルを避けるためにもエンジンを切って帆走した方が良い。

帆走に入ったらバッテリー上がりに注意
エンジンを止めて長時間GPSとオーパイ、更に夜間だと航海灯も使うので、バッテリー上がりに注意が必要。エンジン始動をBOTHで行いその後エンジンを切って帆走に移ったにもかかわらず、BOTHのままにしているとバッテリーを二つともいっぺんに上げてしまう恐れがある。
バッテリーを上げてしまったらGPSも使えず現在地の経緯度さえわからない。予備のハンディーGPSはいつでも使えるように充電してスタンバイさせておこう。

延長ティラー
延長ティラーをコックピットに転がしておきいつでも使えるようにしておく。

メインシートトリム
いろいろ試したが結局オリジナルに戻ってドッグハウス上のウインチで操作する。延長ティラーがあるので手が届く。

ジブシートトリム
風が強くなってきたら早めにジブシートを風下側ウインチを経由して風上側ウインチにリードする。ヒールが大きくなってからでは風下のウインチを操作できない。

タッキング
オーパイを使用できない状況下でも延長ティラーがあるので問題ない。

転覆の危険が生じてきたら
全ハッチを閉じるのはもちろんだが、ベンチレーターも忘れずに閉じておく。ひっくり返っても沈没は避けられる。



by mantenbosisan | 2011-10-10 01:01 | 帆走・機走 | Comments(1)

強風時の留意事項(by Steve Colgate) 

Manual of Cruising Sailboat Techniques by Steve Colgate P61
 

セール面積の均衡の重要性
リーフする際に重要なのはメインとジブのセイル面積の配分だ。
縮帆手順は、最初にメインをリーフし、更に風速が上がったら次はジブを縮帆する。そして更に風が上がったらメインをもう一段リーフし、それでも不十分の時はジブをもう一段縮帆する。このようにメインとジブを均等に縮帆して行きボートのバランスを保つことが重要だ。

何故メインからリーフするのか
風速がアップしオーバーパワーになれば艇はオーバーヒールし、オーバーヒールすればひどいウエザーヘルムが発生し、ウエザーヘルムが強くなるとティラーをしょっちゅう引いているようになるのでラダーの迎角が大きくなり水中抵抗が増えて艇速がダウンする。
ウェザーヘルムを減らす為にジブの大きさをそのままにしてメインセールを小さくするのだ。そうすればC.E.が前方に移動するのでウェザーヘルムが減少する。

強風下メインを下ろして風上帆走するとデスマストにつながる
リーチングからランニングで走っているときはメインを完全に下ろして小さなジブ一枚で帆走しても良いが、風上に向かって帆走中にメインを完全に下ろすとデスマストにつながるので大変危険だ。

ドシンドシン波にたたかれる度にマストは前に振られ後ろに振られしてかなりの衝撃を受けるが、メインセイルは例えリーフしていてもそのマストへの衝撃をかなりな程度和らげてくれるので風上に向かって帆走中にメインセールを下ろしてしまってはいけない。

リーフ時のハリヤードテンションの重要性
b0114415_1155963.jpg

フルセールの時はセールのヘッドはマストトップ近くにあるのでハリヤードの引っ張り角度はリーチの引っ張り角度とほぼ正反対になっている(上図左)が、リーフしている時のリーチを引っ張る力は上図右の通りupper slidesをグルーブから引っ張りはがす方向に働くのでハリヤードのテンションをできるだけ強くしてこのslidesにかかる力を和らげてやる必要がある。
特にメインシートのほとんどの力がセイルのリーチに働くbeating時には、ハリヤードテンションを強くしておかなければこのupper slidesを引きちぎってしまうことになりかねない。
(久しぶりにOffshore Sailing Schoolのテキストを引っ張り出したが非常に勉強になった。)
by mantenbosisan | 2011-10-10 01:00 | 帆走・機走 | Comments(0)

ヒーブツー

1)スピンナヤーン
①今までのタックのままでヒーブツーする方法
これはディンギーで強風、波のある海面でタッキングを失敗して風位に立ってしまったような時に風上側のジブを張って逆ジブにして元のタックに戻すことがあるがジブの操作はあれと同じ要領だ。その時には元のタックの風下に落とすときにメインを緩めるがヒーブツーの時はメインは目いっぱい引き込んだままにする。
b0114415_1954636.jpg




b0114415_19345243.jpg②タッキングしてヒーブツーする方法
これは風位を越えてもジブをはりかえずに元のジブを逆ジブにするやり方なので荒天時には危険な気がする。ディンギーだったら簡単にチンするだろう。

だが、荒天でさえなければこの方法は簡単なので沖合いで船を止めてランチの支度をするような時には使える。
そんな上天気の時はジェノアを使っているかもしれないがヒーブツーにはジェノアは大きすぎてうまく行かない。フルメインに対して少なくともワーキングジブサイズに落とす必要がある。
注:風速15~6m/s、波高4~5mの時、島津提督はストームジブの大きさにしてヒーブツーに入ったと言っている(メインはツーポン)。







③メインだけを使うヒーブツー
b0114415_1452559.jpg


2)インナーセーリング
フリーで帆走している時はまずクローズまで持って行くのは同じだが、スピンナヤーン②のやり方とと多少違う。反対舷に返った後行き足を完全に止めるのがポイントだ(行き足が残ってると再びタッキングしてヒーブツーを失敗する)と書いてある。メインシートを緩めるのはその為だと思われる。
・タッキングよりもゆっくりバウを回す、
・反対舷になった時メインシートをアビームの位置まで緩めてクリートし、行き足がなくなるのを待つ。
・行き足が無くなったらティラーをいっぱいに押して固定。
・前進と後進を繰り返しほぼアビームで停止する。

3)島津さんのヒーブツー
風速15~6m/s、波高4~5mの大島近海で一晩ヒーブツーしたらしい。
2006年5月12日(金)付けYacht the deep Subject:夜間伊豆大島沖でのヒ-ブツ-より引用。
ティラ-を操りながら先ずメインシ-トを一杯に詰めブ-ムを中央に、そしてプリベンタ-でがっちりと固定。
メインは当初より変えず2ndリ-フのまま。
次にジブを最小限、スト-ムジブの大きさまで巻き上げ、風上(右舷側)シ-トをウインチで引き逆帆の状態にした。
舵は下手舵一杯。

すると、あ~ら不思議、フネはたちどころに速力がなくなると同時に殆どの動きを止めてしまいました。
フネ周囲の海面は小さくても3m、大きいものだと5mを超す波頭の崩れを伴う大浪・南西14-15mの強風にも拘わらず、風を右舷船首より4~5点ばかりの所に受け、フネの動揺はピタリと止み、船首をほぼ南に向けマストは左に約10 度くらいの小さな傾きのまま安定したのです。横揺れはもちろん縦揺れもほとんどありません。何よりも不思議なのは波頭から谷底に落される上下動までがなくなった事です。つまり、フネがいる一定の広さの海面だけが波が立っていない状態。
常識で考えられますか?これが踟躊(ちちゅう)、ヒ-ビングツ-。(^_^)
by mantenbosisan | 2011-10-10 00:45 | 帆走・機走 | Comments(0)

ウェザーヘルムについて

ジブのとメンのの合成された効果中心(Combined CE)の位置はジブのCEとメンのCEを結んだ直線上のそれぞれのセール面積(又は応力)を逆比例按分して得られた点上にある。一方、CLR(側面抵抗中心)はキールの中央付近にある。

Combined CEがCLRと同じ位置にあればヘルムはニュートラルで、CLRから後方に移動すればウェザーヘルム(以下ウエザー)、前方に移動すればリーヘルム(以下リー)になる。多少ウェザーがある位が操作性が良い。その時のCEの位置はCLRのやや後ろだが、風が強くなるとメンのセール効果(応力)が大きくなってCombined CEが後方に移動するのでウェザーが強くなり、走り難くなる。風が強くなるとヒール角度も大きくなるが、そうするとCombined CEは風下側に、CLRは風上側に移動して両者間の距離が離れるのでこのことによってもウェザーが強くなる。

Combined CEの位置はジブのCEとメンのCEを結んだ線上の各セール面積(応力)を逆比例按分して得られた点にあるわけだから、ジブの大きさは変えずメンをリーフして面積を小さくしてやればCombined CEは前方に移動する(※)とともに、セール効果(応力)が小さくなってその位置は下に下がるのでヒール角度が小さくなりウェザーも小さくなる。メインシートを緩めて風を逃がした場合も応力が小さくなるので、CombinedCEは前方に移動してウェザーは小さくなる。
※逆にメンの大きさはそのままでジブを小さくするとCombined CEは後方に移動してウエザーヘルムは増すので注意。

クオーターリーではCombined CEが風下側に大きく移動してCLRから離れる為ウェザーが非常に強く出て、強風や波のある海面ではヨットが風上に切り上るのを舵で防ぎきれなくなることがあり、そうなってしまうと舵が効かなくなってブローチングする。

風が強いランニングの時にメンもジブも引き過ぎ(オーバートリム)でセールがクオーターリーの開きになってると、ブローチングが起こりやすいのでオーバートリムには十分気を付けなければならない。しかし、観音開きにすればジブはメンの反対舷になり、それまで風下舷にあったCEが船首尾線近くに戻ってくるので強いウェザーは減る。

マストをレーキさせるとCEが後に移動するのでウェザーは増える。セールのドラフト位置を後にしてもやはりCEは後に移動するのでウェザーは大きくなる。

乗員や積載物をバウに集めてバウトリムにすると(波の大きい海面で波に船尾を持ち上げられて船首が下がった状態の時も同じだ)、C.L.Rが前に移動するのでウェザーになり、逆にスターントリムにするとリーヘルムになる。

参考 ウェザーヘルムとリーヘルム 防衛大ヨット部マニュアル file:///C:/Users/hiromichi/Downloads/002-1%20(12).pdf 



by mantenbosisan | 2011-10-10 00:37 | 帆走・機走 | Comments(0)