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満天☆の海-2

カテゴリ:航海情報全般( 41 )

海図記号GLT、RLT、LTとは

海図に記載されている防波堤先端の海図記号GLT,RLT,LTについて調べてみた。

1)航路標識全般の参考資料
航路標識の設置及び管理に関するガイドライン(第三管区海上保安本部)
航路標識を設置・管理するまでの流れ(第三管区海上保安本部)

防波堤先端に設置する簡易標識に関する具体的な記述はなかったが、下記の規定によりおおよその想像はついた。
ー簡易標識は、航路標識法の適用を受けない小規模の標識ではあるが、設置目的及び設置場所に応じた標体の塗色並びに灯光の灯色及び光り方を遵守しなければならない。
ー標識の形状については特に規定はない。

2)具体的で分かりやすい簡易標識の説明資料が見つかった。最初に読んでたら一発で理解できたのに。

2-1)簡易標識の正しい使い方が図入りで説明されていて分かりやすい第9九管区七尾海上保安部HPの資料(簡易標識・許可標識について)

 http://www.kaiho.mlit.go.jp/09kanku/nanao/top/sinsei/kannihyousiki.html

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注:当ブログを読んでる人は大丈夫なはずだが、上記事例に書いてある左げん標識、右げん標識という表現は誤解をまねきやすいのでちょっとまずいと思う。これは浮標式の左舷標識、右舷標識のことではない。左右の防波堤灯台を区別するために、左側の防波堤上に建つ灯台及びその代替簡易標識を左げん標識、右舷側の防波堤上に建つ灯台及びその代替簡易標識を右げん標識と呼称しているのだ。

この資料でわかった事項
①防波堤の先端を標示する航路標識の呼称は、海上保安庁設置標識および許可標識は灯台、簡易標識は標識灯(下記留萌市のHPにあった航路標識リストでは簡易標識灯)。

②防波堤先端を標示するのに使われる簡易標識は、塗色赤、灯色赤の標識灯(海図記号RLT)、塗色白、灯色緑の標識灯(GLT)、塗色白、灯色白の標識灯(LT)がある。

③右舷側の防波堤先端を標示する時は塗色赤、灯色赤の標識灯(RLT)、左舷側の防波堤先端を標示する時は塗色白、灯色緑の標識灯(GLT)、左舷側にも右舷側にもなる防波堤先端すなわち水路の中央にある防波堤先端を標示する時は塗色白、灯色白の標識灯(LT)を設置する。

2-2)こちらもわかりやすい第7管区大分海上保安部HPにある簡易標識の設置例 http://www.kaiho.mlit.go.jp/07kanku/oita/service/guide/cetner/kani.htm

2-3)防波堤簡易標識灯GLT、RLTの写真が入っている第1管区留萌海上保安部HPにある「留萌港の灯台・標識の変遷」 http://www.kaiho.mlit.go.jp/01kanku/rumoi/hoanbusyokai/rumoitoudai/rumoi.html


2-4)留萌市のHPにあった航路標識リスト http://www.e-rumoi.jp/keizai/kei_00016.html

防波堤に設置されている簡易標識は、○○○防波堤簡易標識灯という名称で掲載されている 

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by mantenbosisan | 2018-01-17 21:30 | 航海情報全般 | Comments(2)

可航水域の水深は?

側面標識や方位標識は可航水域を示す航路標識なのだが、では可航水域の定義は?

可航水域とは読んで字のごとく航行可能な水域、すなわち障害物等がなく且つ十分深い水域という意味だろうと思いたいところだが、屋代島と沖家室島の間の水道(沖家室大橋が架かる)の水深0-2m海域の中に左舷標識(瀬戸の石灯標)があるのだ。

第三管区海保に聞いたら、可航水域に水深基準は無く、岩礁、浅瀬、沈船等の障害物がないということを表しているだけなのだそうだ。

船底が着床するかもしれないような水域を可航水域と言えるのかと言いたいところだが、水深1mでも航行可能な浅喫水の小型漁船があるかと思えば、水深4mでも危ない小型貨物船もあり、着床するかどうかはその船の喫水次第だという事を考えれば納得。


by mantenbosisan | 2018-01-17 21:14 | 航海情報全般 | Comments(0)

防波堤灯台が示す港の入り口の水深は?


防波堤灯台は港の入り口を示してはいても、可航水域であることを示しているわけではないことは、昨年1月の「白灯台は可航水域を示す左舷標識なのか?」で書いた通りだが、では水深は十分あるのだろうか?港の入り口を示しているのだからまさか座礁しかねないほどの浅いところはないだろうと思いたいが、地方の小さな港には水深0-2m海域に建っている防波堤灯台が少なからずあるのだ。防波堤灯台が建ってるから入っても大丈夫だろうと思って、海図も見ないで入る船はいないだろうけど…?


海上保安庁海の相談室によると、防波堤灯台には水深基準は無いとのことだった。すなわち、防波堤灯台は港の所在、港の方向を示すためだけにあり、それ以外の事は何も示してはいないということだ。

宇島漁港東防波堤灯台(白灯台)から港内の水深は0-2m

平郡島平郡港羽仁防波堤灯台(赤灯台)から港内は未測海域だ。水深不明ということ。

多度津沖合の高見島高見港南防波堤灯台(白灯台)は水深0-2m海域の中

多度津沖合の佐柳島佐柳港防波堤灯台(白灯台)は水深0-2m 海域の中。

高松沖合の女木港東防波堤灯台(赤灯台)周囲30mは水深0-2m

牛窓のホテルリマーニ沖合の牛窓一文字防波堤は干潮帯に囲まれているので、防波堤西端のRLTを右舷に見て防波堤寄りに入港すると干潮帯に突っ込む形になる。反対側の防波堤東灯台を40m以上離して陸寄りを入港する必要がある。


by mantenbosisan | 2018-01-17 16:27 | 航海情報全般 | Comments(0)

航路の定義 財団図書館

 
航路の定義 法定航路 推薦航路 財団図書館https://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00804/contents/00006.htm





6.航路の安全(港における航路の幅員を中心に)95
6.1 航路の目的

警察法規である港則法においては、例えば次のような水域に航路が設定されている。
[1]防波堤や暗礁等の障害物の存在により、可航水域が狭く限られており、一定の方向に航行する船舶が多数存在している水域(例えば、青森港、八戸港、高松港の航路)
[2]多数の船舶が航行する一定以上の水深を有する水路があり、かつ、その周囲の水深が水路より相当浅くなっている水域(例えば、千葉港椎津航路、和歌山下津港北区航路)
[3]周囲の状況から船舶交通の流れが多方向にわたって錯綜する水域において、一定方向の交通の流れにある船舶を多方向の流れにある船舶に対して常に優先させ、錯綜する船舶交通流に一定の秩序を与えるべき水域(例えば、広島港の航路)

港湾法上の航路の設定に関しては、安全な航行、操船の容易さ、地形、気象・海象条件、関連施設との整合性等を考慮するものとし、航行機能上、次のような四つの条件を満たされた場合に良好であるとされている97
[1]法線が直線に近い。
[2]航路の側壁と海底面の形状の影響、航走波影響等が考慮され、幅広く、水深が十分である。
[3]風、潮流、その他の気象・海象条件が良い。
[4]航路標識、信号設備等がよく整備されている。


5.3 推薦航路
 推薦航路とは、地形・海潮流その他自然的条件のみを考慮の上、航海の安全のために水路図誌の発行者が推薦した航路である。推薦航路を利用する場合は、次のような注意が必要であるとされている72
[1]図載の航路線は他船との行会い、横切りなど交通的条件を考慮していないから、衝突予防及び海上交通に関する航法については関係法令によること。
[2]航路線は航路及び水道の中央と必ずしも一致しないことがある。
[3]推薦航路はある程度の可航幅をもっているが、それを省略して、1本の標準的な航路線で代表してある。

5.5.2 海上交通安全法上の航路
 海上交通安全法第二条(定義)においては、「この法律において「航路」とは、別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域をいい、その名称は同表に掲げるとおりとする。」と規定され、海上交通安全法施行令第三条に基づく別表第二には、浦賀水道航路、中ノ瀬航路、伊良湖水道航路、明石海峡航路、備讃瀬戸東航路、宇高東航路、宇高西航路、備讃瀬戸北航路、備讃瀬戸南航路、水島航路、来島海峡航路といった11の航路の名称が掲げられている。航路の幅員は、伊良湖水道航路や水島航路のように自然的条件によって制約している場合を除き、原則として片側700メートルとしている84
 これらの航路は、輻輳海域での船舶交通の安全を図るために、船舶交通量と可航水域等を考慮して設定された。

5.5.3 港則法上の航路
 港内における船舶交通の安全および港内の整とんを図ることを目的とする港則法に基づき、雑種船以外の船舶は、特定港に出入し、または特定港を通過するには、海難を避けようとする場合その他やむを得ない事由がある場合を除き、命令の定める航路によらなければならない(港則法第一二条)。港則法施行規則第八条に基づく別表第二には、36特定港に78航路(平成13年9月現在)が定められている。これらの航路は、港の形態および船舶交通の流れの実態を考慮して、船舶交通の流れの円滑化と安全確保を図るために設けられている。
 但し、同法第三七の二(原子力船に対する規制)の規定では、港長が原子力船の航路を指定できることとしているが、この場合にいう航路は、単に船舶の通航経路としての意味であり、第一二条から第三七条までにいう航路と異なるため、第一二条では、「以下第三七条までにおいて単に「航路」という。」として両者を区別している。また、第三六条の三(船舶交通の制限等)の規定に基づく同法施行規則第二〇条の二で定める別表第四の管制対象水域は航路を主体としているが、航路以外の水域も含んでいるため、同条では「水路」としている93
 航路における一般的な航法としては、航路航行船に対する航路出入船舶の避航義務(同法第一四条第一項)、並列航行の禁止(同条第二項)、行き会い時の右側航行義務(同条第三項)、追越し禁止(同条第四項)がある。港則法の航路も前述の海上交通安全法の航路と同様に、航法に関する一定の法的地位を与えられているが、航路の出入口付近における一種の法的不連続面の問題があり、防波堤の入口の航法(第一五条)、雑種船および小型船の航法(第一八条)といった港則法上の特別航法とあわせ、法適用上、避航関係が複雑になる場合もある。その他に船舶は航路においては、原則として投びょうし、またはえい航している船舶を放してはならず(第一三条)、港長は航路を指定して船舶の交通を制限し、または禁止することができる(第三七条第一項)。



by mantenbosisan | 2018-01-16 06:55 | 航海情報全般 | Comments(0)

事故はこうして起きるのだなー

ゲストが来ると、楽しく過ごしてもらおうと無防備になりがちだ。せっかく楽しく過ごしてるんだからまあいいかーと…。

意外に事故が起こるのは海が穏やかな時だ。そんな時は気が緩む。
海が穏やかでも、慣れないヨットの上でデッキのロープに足が引っかかったり、ちょっとした揺れでバランスを崩したりしたら落水する危険がある。

オートパイロットで操縦中にキャビンに入っていたらゲストの落水にしばらく気付かない。ゲストがライフジャケットを着てなかったら最悪だ。

停泊中でも近くのボートでこんなことがあった。夜、仲間が大勢集まってワイワイ酒盛りしていて、朝起きて一人いないことに気が付いた。みんな酔っぱらっていて気付かなかったらしいが、デッキからオシッコして落水したらしい。

海にいる時は航行中だろうが停泊中だろうが全責任は船長が負う。

by mantenbosisan | 2017-10-11 21:42 | 航海情報全般 | Comments(0)

方位標識をどのくらい離せば安全か

方位標識には東西南北の各方位を冠した4種類の方位標識があり、例えば西方位標識はその西方に、東方位標識ならその東方というように方位標識に冠した方位に可航水域があり、その反対方位に浅瀬、険礁等の危険水域があるという事を示しているのだが、そこで勘違いしてはいけない。方位標識の可航水域は標識からすぐに始まるわけではない。その方向に可航水域があるという事を示しているにすぎないのだ。この点を勘違いしやすいので注意しておきます。

ではどのくらい離せば安全なのかという事になるが、それは海図を調べなければわかりません。先にレポートした亀城礁乗り揚げ事故の場合、亀城礁灯標(西方位標識)から西方約200mで乗り揚げているのだ。

GPSを見ながらその場でコースを決めて走ってる人が意外と多いようだが、仮にNewpecを使ってるGPSだとしても、シングルハンドだと操船しながらじっくりGPSを見る時間はないだろう。海が荒れてたり雨が降ってたり漁船や本船が多かったりで、沿岸航海は操船に集中しなければならないことが多いのだがなー。
複数人で乗船しておりナビゲーション担当を決めていたとしても、もしもGPSで採用しているマップがあまり海図としての精度が高くないとしたらどうだろう?

事故を起こしたくなければ、やはり事前に大縮尺の海図を精査してコースを設定して走るべきだと思うのだが…



by mantenbosisan | 2017-09-08 22:34 | 航海情報全般 | Comments(0)

地元でもこんなことになるという教訓

1)船舶事故等調査報告書平成26年9月25日 運輸安全委員会(海事専門部会)議決

事故等番号 2014横第45号

モーターボートXXX(34トン)は三浦市小網代湾での釣りを終え、三崎本港に向けて南西進していた。 船長は、西日が海面に反射して船首方が見えにくかったので、諸磯湾西方沖に設置された定置網のブイを視認することができず、GPSプロッター(定置網の位置が入ってなかった)を見ながら航行していた ところ、本件定置網のブイに目前で気付いて機関を中立とし、続けて後進としたが、17時10分ごろ、前進行きあしで本件定置網に乗り揚げ、本件定置網の垣網のロープを切断し、プロペラにロープが絡まって航行不能となった。船長は、海上保安庁及び本件定置網を所有する漁業協同組合に通報して救助を要請し、同組合所属の漁船の支援により、本件定置網から離脱した後、巡視艇にえい航されて三崎本港に入港した。

=地元とはいえ、濃霧とか強い西日あるいは夜間航行等の視界不良時に備えGPSに定置網の位置を入れておきさえすればこういうことにはならなかった。


2)平成27年横審第8号 裁決 言渡 年 月 日 平成27年7月17日

葉山町所在のマリーナ所属ヨット 亀城礁乗り揚げ 転覆 全損

神奈川県横須賀市荒埼西方沖合には,東西幅最大約1,000メートル南北幅最大約500メートルの亀城礁と称する険礁が拡延して,そのほぼ中央部に西方位標識である亀城礁灯標が設置されており,A受審人は,亀城礁付近を航行する際には,亀城礁灯標の西方沖合500メートルを確保して航行していた。

A受審人は,船長として操船指揮にあたり,小網代湾に到着して錨泊し,昼食を摂ったあと,抜錨して葉山町のマリーナへの帰航の途に就いた。

A受審人は,針路を亀城礁灯標の西方沖合500メートルに向く335度に定め,4.0ノットの速力(対地速力,以下同じ。)で,舵柄による手動操舵で進行した。

亀城礁灯標から169度1.12海里の地点に至ったとき,トローリングによる釣りを行うこととし,同乗者に亀城礁灯標の少し西側に向けるようにのみ指示して操舵を任せ,甲板上で釣りの準備を始めた。

しばらくしてからA受審人は,亀城礁灯標に接近する針路となっていることに気付いたが,亀城礁に接近すれば,海面の色の変化や波の立ち方で分かると思い,険礁に向かっていることに気付かず、亀城礁灯標から224度200メートルの地点において,険礁に乗り揚げた。

乗揚の結果,すぐに離礁したものの,浸水して機関が停止し,全員が他船に救助されたあと,バラストキールが脱落して転覆し,後に引き上げられたが,廃船処分となった。

=上記事故原因は一言で言うと船位の確認不十分という事になるが、同乗者の操船で亀城礁に接近する針路になっていることに船長は気付いたのだから針路を戻せと指示すべきところ、同乗者に遠慮してあまり細かいことを言いたくない。接近すれば危険かどうかわかるだろう、それから変針しても遅くないと思ったのがいけなかった。良く通る見なれた険礁でもこういうことが起こる。暗礁上の海面の色や波の立ち方はいつも同じというわけじゃない。また目測はその時の天気によっても狂いやすい。

KAKESU-3は亀城礁灯標西600m地点にウェイポイントを設定している。亀城礁に限らずコース近くに険礁がある場合はこれ以上接近してはならない地点にウェイポイントを設定してGPSに登録しているので大丈夫だ、と思ったが、安良里近辺はやってなかった。上記事故を教訓にして自戒。西伊豆海域の大縮尺海図は販売してないのだがなんとかしよう。


by mantenbosisan | 2017-08-30 21:47 | 航海情報全般 | Comments(0)

海難 その時海保は

実態はどうなってるのか調べてみたら、乗り揚げたヨットを巡視船が引き下ろした事例や、航行不能船を曳航した事例が見つかったが、またその一方で、BAN非会員艇が118番通報したら海保からBANに救助の要請があり、BANから救助実費を請求されたという何とも不可思議なも事例まであった。


2005
BAN非会員ヨット佐島沖機関故障、海保からBANに救助要請(出典2006BANMATE) 

海保に救助要請したら海保からBAN本部に通報あり(=これは不可解。なんでこうなるの? )。BANは非会員ヨットから救助費用の支払い確認を取ってから救助船を派遣。

2006BAN会員横須賀港付近ヨット乗り揚げ事故 巡視船引きおろし(出典2007BANMATE

会員艇からの連絡でBAN本部から海保に連絡。海保が引き下ろし作業を完了後BAN救助船が曳航。=乗り揚げ船の引き下ろしを海保がやった例を初めて発見。

2011年BAN会員Mボート伊良湖岬沖舵故障 巡視船曳航救助(出典2012BANMATE) 

会員艇からの要請で救助艇を派遣するも風浪が強くて救助困難の為海保に救助依頼。巡視船が曳航し途中でBAN救助船が引き継ぐ。

2012年清水港沖Mボート機関故障 巡視船曳航救助(ハザードマップ船舶事故等調査報告書)

2012年清水港沖Mボート過放電 巡視船曳航救助(ハザードマップ船舶事故等調査報告書)

2013年那智勝浦沖BAN会員ヨット機関故障/マスト折損 巡視船曳航せず(出典2014BANMATE) 

会員艇からの救助依頼を受け、強風波浪注意報発令中の為BAN本部から海保に救助依頼。巡視船とヘリが出動するも波が高くて近づけず警戒監視にあたる。BAN本部からの要請で太地港の漁船が出動し巡視船が警戒監視中の該船を発見し曳航救助。=別途記述

KAKESU3の私見

天候が平穏なら巡視船も曳航救助することがあるが、BANに頼めと突き放されることもある。しかし、ちょっと時化てきたらまず巡視船の曳航救助は望み薄のようだ。
人命は特殊救難隊のヘリが助けてくれるが、そうすると船体放棄せざるをえなくなるので、船長は後々のことまでよくよく考えて決断する必要がある。


by mantenbosisan | 2017-08-30 13:35 | 航海情報全般 | Comments(0)

時化の海 やはり海保は 手を出さず

2014年BAN年報Vol37より

2013
年4月7日 BAN会員ヨット 大時化の中でオーバーヒートとマスト折損で航行不能 那智勝浦沖


978hpという爆弾低気圧が日本列島を覆い暴風大雨が続いていたが、2013年4月7日14時50分当時、低気圧は東に移動し風は南から北西に変わったが、熊野灘はまだ波の高い状態は続き強風波浪注意報は発令中だった。

新西宮YH所属のヨット、クラリスフォルテは、風が落ちてきたので寄港先の串本港を出てフィッシャリーナ那智に向かったが、那智勝浦沖で風が20m近くに吹き上がった為、メインセールを下してNo.3ジブだけの機帆走に移った(☆KAKESU-3コメント=これは不可解?なぜメインを下したか?ジブを巻いてもメインは維持すべきだったと思う。理由は下記)。

またデッキに設置したGPSが雨で故障しフィッシャリーナ那智の方向が分からなくなり、No.3だけの帆走で那智湾を探して行ったり来たりしているうちに、冷却水を吸い込まずオーバーヒートを起こした上、波にたたかれてマストを折損。

BANと海保に救助を要請。折れたマストをデッキに回収。船体に損傷のないことを確認。
すぐに巡視艇とヘリが到着するが、波が高くてヨットに近づけず。
(☆KAKESU-3コメント=ヘリは何しに来たのか?ここで乗員だけヘリに救助されてたら、船体放棄せざるをえなかったわけで、先日書いた石廊崎沖海難と同じ結果になっていたはず。)

BAN本部からは勝浦港付近のレスキューステーション(RS)に連絡取るも、荒天を理由に契約漁船から次々と出港を断られたが、唯一太地港の契約漁船が出動を了承。

巡視艇が警戒監視中の該船を発見し曳航を開始。巡視艇が警戒伴走して勝浦漁港へ入って救助が完了した。

ということだ。
以下KAKESU-3コメント

先日書いた石廊崎沖海難事故と今回の海難事故の顛末を読んでわかったことは、海が荒れてる時に海保に曳航救助を頼んでもダメだということだ。

今回は幸いにも太地港の漁船が駆けつけてくれたが、救助船が来なかったかもしれない。
じゃあどうすればいいの? 乗員に気力が残っていたらなんとかジュリーリグをつくって沖出しして天気の回復を待つ。色気を出してどこかの港に入ろうなんて思ったらそれこそ危険。陸に近い方が波が悪いし危険がいっぱいだ。


今回遭難したヨットは那智フィッシャリーナの方向がわからず那智湾を行ったり来たりしていたようだが、以前何回も書いてるが那智フィッシャリーナは位置が分かっても安心して入れるような港ではない。もし、那智フィッシャリーナに向かっていたら、ほぼ間違いなく港の入り口で座礁していただろう。

他に思ったこと

冷却水を吸い込まずオーバーヒートを起こしたと書いてあったが、そうかな?
オーバーヒートまで行ってなかったんじゃないかな?
冷却水が送り込まれなくなった原因は、船底のスルハル口が流れてきたビニールなどで塞がった、異物がスルハルや海水濾過器に詰まった等で、海水が来なくなってインペラが空転して破損したのじゃないかと。それで温度が上昇して警報音がなったのだが、そのまま放置してエンジンを掛けっ放してればオーバーヒートするが、警報音が鳴った段階でエンジンを切ればオーバーヒートまで行かないだろう。
大荒れの海でインペラの交換なんかできるわけはないから、天気が回復するまではどうしようもないけど。

マストが折れたのはメインセールを下したのがいけなかったのじゃないかという気がする。ドシンドシン波にたたかれるたびにマストは前に後ろに振り回されてかなりの衝撃を受けるが、メインセールはその衝撃を和らげてくれる働きをするとスティーブコルゲートは言ってるよ⇒操船手順書-4強風帆走時の留意事項


by mantenbosisan | 2017-08-29 18:30 | 航海情報全般 | Comments(0)

航行中ペラに海草を巻いた時の処置

シングルハンドのKAKESU-3の場合

装備:
流されないようにヨットに体を結びつけるロープ、草刈り鎌、ロープを切る専用ナイフ、スノーケリングセット、ウェットスーツとウェイト、フォグフォーンなど

航海中は上記のうち必要な物をすぐに使えるようにデッキに準備しておく。夏はウェットは不要。
航海中そのままいつでも潜れるような速乾性の服装で操船し、終わったらヨットを走らせながらデッキのポリタンの水を頭からかぶってお終い。すぐに乾く。

勿論セールは全て下す。周りに船(交差しそうな船)がいる時はいなくなるまで待つか、船の航行の少ない海域まで帆走する(無風と言ったって多少はある)。どのくらい流されるか計算して陸に近い時は沖出しするかアンカーを打つ。

通常は陸から十分離れているので船を漂流させながら潜る。

潜る前に必ずヨットに体を結び付けて潜る。シングルハンドなのでこれは最重要。
潜水作業は
1分以内(スイミングラダーから下りてまた戻るまでの時間)と決めておき1分経ったら作業をやめて周囲をワッチ。
1分で取り切れなかった時はこの作業を繰り返すが、長くはやらないこと。スイミングラダーを下してつかまって片手を延ばせば草刈り鎌がペラに届くので海草ならたいてい一回潜れば切除できる。
捨て網やロープは切れ味の悪い草刈り鎌では難しい。専用ナイフの出番だ。



by mantenbosisan | 2017-08-28 19:13 | 航海情報全般 | Comments(0)