満天☆の海-2

カテゴリ:離着岸&アンカリング( 42 )

アンカー各部の名称

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by mantenbosisan | 2018-08-22 14:49 | 離着岸&アンカリング

バルカンデルタストックアンカー把駐力テスト

b0114415_20514557.jpg20151111日、釣好きのゲストの希望で水深40mの田子島沖にアンカーを打って釣りをした時、岩場に根掛かりしてアンカーが揚がらず。悪戦苦闘やっとの思いで引き上げることが出来たものの、なんとshankpalm a 側に10度弱曲がり、b側が開いてしまった。
右の写真。バウに常設してあった緊急用の中村技研のバルカンデルタストックアンカーだ。
海底が岩だろうが砂だろうがどんな底質でも確実に船を留めてくれるこのヨットの守り神を緊急でもないのに使って曲げてしまった。悔やんでも後の祭りだが、スターンから他のアンカーをバウに持ってきて準備するのも面倒だし、バルカンデルタストックアンカーが水深40mで果たして利くのかどうかテストが出来るという思いもあって使ったのだが、海底が岩場ならまず揚がってこないことを失念していた。大失敗だ。

b0114415_20515420.jpgメーカーに聞いたら、開きが大きくなった方のpalm側は、はちゅう力が弱くなってるはずだが、曲げ直すと鉄が弱くなるのでなるべくならそのまま使った方がいいと言われ、後日、辻堂海岸の砂浜でテスト。テスト結果palm a側を下にして引きずるとすぐに砂に埋まり動かなくなる。そしてshankの下まで砂に潜る。
一方、開きが大きくなってるpalmbの方を下にして使うとすぐには埋まらないが1mくらい引きずれば砂に埋まって止まる。埋まった状態を調べるとshankまでは埋まってないがpalmは完全に砂に潜った。メーカーはpalmが完全に潜るなら問題ないと言ってたので問題なさそうだ。

12
10日今度は実際に海でテストしてみた。
安良里港や田子湾は深いので宇久須港(底質はドロ)に行った。普通のやりかたで投錨したのでは着床時二つあるpalmのどちらが下になるかわからない。今回はpalm bのはちゅう力テストなので確実にpalm b側が下になるようにアンカーを沈める必要がある。それで右図のような仕掛けを作ってアンカーを沈めた。アンカーを入れたところは水深6mだったので海面からデッキ迄の高さ1mを加えて7mとなる。ロードを25m(スコープ3.5倍)ほど出してクリートに引っかけ、エンジンの回転を上げて何回か前進をかけたが、ヨットは横に振り回されるばかりで全く前に進まず。アンカーはしっかり海底(底質は泥)に食い込んでくれた。成功だ。開きが大きくなった方のpalmでもしっかり船を止めてくれることが分かったので一安心。






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by mantenbosisan | 2017-02-03 21:09 | 離着岸&アンカリング

沖止めあるいは沖掛かり

なにげなく沖止めという言葉を使ってるが、沖掛かりともいう。

初めて知ったのだが、沖止めという言葉は航空機にも使うのだそうだ。デジタル大辞泉には「空港の搭乗口、港の岸壁から離れた所に航空機や船舶を停泊させること。搭乗・上陸にはバスや小型船を使う。」と書いてある。しかし、航空機では沖掛かりとは言わないようだ。


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by mantenbosisan | 2016-11-26 15:36 | 離着岸&アンカリング

アンカリングの根掛かり対策

中村技研のHPで紹介している方式以外は2018.08.22追補。

アンカーラインをクラウンから取ってシャンクに結ぶ方法
これはアナポリス式シーマンシップ(The Annapolis book of seamanship)で紹介されていた方法で、通常はアンカーラインのチェーンをシャンクの先端から取るのだが、そうしないでクラウンのリングから取り、シャンクに沿わせてシャンク先端のリングに針金(又は細紐)で縛って沈める方法だ。根掛かりしてなければそのまま揚がって来るが、万一根掛かりした時は、船をアンカーの真上に持って行き、アンカーラインを思いっきり引いてシャンクに結んだ針金を切って(切れなければウインチにかけて引張って切る)、クラウンから引き上げるやり方だ。
錨泊中にシャンクに結んだ針金が切れたらアンカーが抜ける心配があるので、針金の太さはいろいろテストして決める必要がある。2013年7月鞆の浦の仙酔島に寄港し、この方法でダンフォースタイプアンカーを使ったスターンアンカーの槍着けで一晩過ごした時、突風混じりの強風に襲われたが切れることもなく無事だった。しかし、このやり方でバウアンカーの振れ回しで一泊する勇気はない。振れ回しでアンカリングするスペースがあるならアンカーブイを使った方が確実だろう。


この方法はどんなアンカーにも使えるというものではなく、中村技研のバルカン・デルタ・ストックアンカーは着床時にどちらの面が上になるか下になるかわからず、もしストックがチェーンを抑え込んで着床したらアウトだ。
一方、ダンフォースタイプのアンカーは、ぶら下げた時点でチェーンがついた面が必ず上になり、着床時点で裏表がひっくり返ることはないのでこの方法を使うことが出来る。
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双綱方式

双綱方式の場合も、ダンフォースタイプならクラウンから取った双綱がフルークの下敷きになって着床する心配はないので、問題なく使えるが、やはりバルカンデルタストックアンカーはストックが双綱を抑え込んで着床するかもしれない。クラウンから取った双綱をストックの先端に簡単に切れる弱い細紐で結わいておけば、もしかしたら良いのかもしれない。双綱がストックに抑え込まれてなければ、根掛かりした時に双綱を強く引いて紐を切ってクラウンから引き上げる。

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アンカーブイ方式
PLASTIMOで25000円でりっぱなアンカーブイを販売しているが、中村技研ではブイとシャックルを使ったやり方を紹介している。
この方法はほとんどのアンカーに使える汎用性の高いやり方だ。
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アンカーブイ方式の引き揚げロープの長さ
水深5mなら、干満差(仮に2mとする)、海面からデッキ迄の高さ1m、デッキ上で引き上げるための長さ2mを加えた計10m以上、
水深10mなら、干満差(仮に2mとする)、海面からデッキ迄の高さ1m、デッキ上で引き揚げるための長さ2mを加えた計15m
は最低必要ということから、引き揚げロープの長さは余裕を見て20mとしたい。



以下は中村技研のHPで紹介している方法

アンカーがどこにあるのかを示すためのブイを取り付ける事で不意なアンカーロストを防ぎ、 根掛かりした場合にはアンカー引き上げ用の尻手ロープ(シッテロープ)として利用し、メインロープの切断による安易な捨て錨を防ぐ方法をご紹介しますのでご参考下さい。


1、アンカーブイを事前に取り付ける場合

ポリタンク(浮き)とシャックルを利用する事でメインロープとシッテロープまたはシッテロープ自体が絡む事無くシッテロープを設置でき、根掛かりした時はシッテロープを引く事で容易にアンカーを回収する事が出来ます。
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2、アンカーブイを取り付けていない場合

 メインロープを充分引き上げてアンカーのシャンクを上に向けた状態で、重り(スパナやシャックル)を取り付けた曳きロープの輪をくぐす。ポリタンク(浮き)にメインロープを 結び艇をアンカーの後ろ側へ回してロープを引けばアンカーを引き揚げる事が出来ます。
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こんな面倒なことやるくらいなら最初からブイを取り付けておいた方が良いと思うけど、この方式も覚えておいた方が良い。昔、海光丸さんからロープの輪ではなく鉄のリングを用意していると聞いた記憶がある。おそらく、最初から引き揚げロープを付けた鉄の輪をデッキ上のアンカーラインに通して準備しておくのだろう。実際に使ったことはないと言っていたが。



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by mantenbosisan | 2016-06-15 22:10 | 離着岸&アンカリング

槍着け演習(シングルハンド)-改定ー

ー2009年5月27日掲載の「槍着け演習(シングルハンド)を修正したー

出港前準備


2012年10月、スターンパルピットに設置したアンカー+アンカーチェーンに接続したアンカーラインはコックピットに置いた籠に入れていつでも投錨できるようにした。従ってそれまでやっていた出港前のアンカリング準備作業は不要になった。出港時チェックのみ。

漁港内で槍着けする時のカケスの根掛かり防止策はクラウンから取ったチェーンを、シャンクに沿わせてシャンク先端のリングに針金で縛る方法だ。万一根掛かりした時にはロードをウインチで引き揚げれば針金が切れてクラウンから揚がってくる。この方法はダンフォースタイプのアンカーには有効だが、中村技研のストックアンカーには使えない。また、台風などで海が荒れてる時もロードが煽られて針金が切れないかちょっと心配なので、そんな時は双綱の方が無難だろう。

尚、ロープメーカーにロープの保管方法を聞いたら、ロープはコイルして保管せず、籠の中に上からランダムに入れて、ロープ自体が自然に重なって行くのに任せるのが良いとのこと。そうすれば絡むこともないので、使用前に絡みを取るとかの作業も不要。


目的地到着

水深をチェックしながら港内を流して全体の様子を観察しながら以下を決定する。
①着岸予定地点と係留設備を確認する。(岸壁は空いていてもそこに係留設備あるとは限らない)
②風波の強さを考えてスコープ(水深に対するアンカーラインの長さ)を検討して投錨予定地点(岸壁から何艇身か)を決める。
③投錨予定地点から係留予定地点までのコースを微速で走ってみて、風の影響をチェック。

いったん岸壁から離れて投錨準備

バウの係留ラインを2本スタンバイさせておく。
バウが岸壁にぶつかって損傷しないようにバウ前面に大型フェンダーをつける。
アンカーをアンカーホルダーから外して舷側にぶら下げて(ハルに当たらないように)チェーンストッパーで留める。

アプローチ & アンカーレッコ

着床時アンカーの上にアンカーチェーンが団子になるのを防ぐ為にゆっくり前進しながら2回に分けてアンカーを沈めるのがシングルハンド操船のポイントだ。

着岸予定地点と投錨予定地点の直線上のコースに艇を置き、舵をオーパイに任せて微速又はニュートラルで投錨予定地点に向かう。

投錨予定地点の1艇身から半艇身手前でアンカーをゆっくり沈めて行き、海底から1mくらいのところで一旦止めてチェーンストッパーに引っかける。
海面からデッキまでの高さがほぼ1mなので、水深が5mなら5mのアンカーチェーンを目いっぱい出してチェーンストッパーに掛ければアンカーは海底からほぼ1m上のところで止まる。
カケスの水深計センサーは水面下40㎝にあるので水深計表示値+0.4mが水深となる。すなわち水深4.6mの表示が出たら5mと読み取る。
フォートレスアンカーの場合は軽いので微速前進では速すぎてヒラヒラと水中を舞ってなかなか沈まない。艇をほぼ停止させる必要があるかもしれない。

投錨予定地点にニュートラルで接近して来た場合は、ギアを入れて微速で進みながらアンカーを着床させる。
アンカーレッコは艇を停止させて行うと書いてある本が多いが、シングルハンドの場合は止めないで行う方が失敗がないと思う。また、アンカーを落とすという言い方をするが、手を離して海中にアンカーをドボンと落としてはいけない。チェーンを手繰り出しながらスルスルと沈めること。クルーの大勢いるヨットは大声でレッコーと叫んでるが、あれではビックリして思わずドボンとやってしまう。

アンカーが着床したらアンカーラインを弛ませないように、風がある時は流されて予定のコースから外れるので風に負けないくらいの強い速度を維持して真っ直ぐに目標地点に向かう。

アンカーが十分効くくらいまでロードを出したら(下図b地点)、ギアは前進に入れたまま、いったんクリートに巻きつけてロードにテンションをかけ、アンカーを海底に食い込ませる。アンカーが効いてる時は半艇身くらい進むまでの間に(下図c地点)ロードが張り、艇は停止し始める(完全に停止させないように)。アンカーを引きずっている場合は(ラインが海面から出て来るあたりが水を掻くのでわかる)、戻ってやり直す。

アンカーがしっかり効いてることを確認したら再びアンカーロードを徐々に出しながら接岸する。


ケースA 
投錨位置は岸壁から4艇身とし、アンカーが食い込んだことを岸壁から0.5艇身迄に確認するケース
(これは、着岸予定地点の周りが空いており、アンカーが効いてない時には他艇にぶつからずに戻れる場合だ。c地点まで岸壁に接近して、もし両隣に船がいるとしたら引き返すのが大変になる。)

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ケースA スコープ表

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ケースB 
投錨位置を岸壁から4.5艇身とし、アンカーが食い込んだことを岸壁から1艇身手前迄に確認するケース
(着岸予定地点の両隣に他艇がいる時に引き返して投錨をやり直すには、岸壁の1艇身手前に到達する迄には引き返したい)
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ケースB スコープ表

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by mantenbosisan | 2012-10-27 22:40 | 離着岸&アンカリング

離岸操船

旧離岸操船記事を加筆修正して一つにまとめ直したもの
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岸壁からの風の時
風がアビームより前方から吹いてる時の離岸方法は「前方からの風の時」と同じ。
風がアビームより後方から吹いてる時の離岸方法は「後方からの風の時」と同じ。


ハワードのCreative Cruising83 (KAZI DEC.2003)大脱走 「船首から出る場合」でこんなスターンスプリングの取り方を紹介していた。風、潮流の記述は無し。

=スターンスプリングを船のクオータークリートから、バウとマストの中間くらいの位置にある桟橋上のクリートに持って行き、それを回して船のコックピットの前方にあるクリートまたはウインチに戻しておく。
スターンスプリング以外のラインをすべて解き、エンジンを後進に入れる。船が桟橋に当たると思われるところにはフェンダーをさげておく。
バウが桟橋から十分離れ、エンジンを前進に入れて離岸できる状態になったら、スターンクオータークリートに舫ってあったラインの一端を放す。

一見シングルハンドには楽そうなので、昔、妻良港でこのやり方を真似てスターンのクリートから取ったスプリングラインを岸壁のビットに回してバイトに取り、スターンクリートに戻さずにコックピットのジブウインチに戻して出ようとしたことがあるが、かなり吹かして後進をかけてもバウが離れてくれなかった。風は無かった。岸壁上のクリートの位置が十分前方ではなかったからかもしれない。それ以降このやり方は試してない。 バイトに取ったスプリングラインをスターンクリートに戻して やれば何の問題もなかったはず。

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by mantenbosisan | 2012-02-23 14:40 | 離着岸&アンカリング

着岸操船 バウスプリングを使った着岸

スプリングラインを使ったこの方法はクルー又は岸壁に助っ人がいないと無理な方法だ。

風下への着岸(Practical seamanship illustratedより)
左舷着けでも右舷着けでも利用できる。

風下側に押されるので風下側には十分にフェンダーを吊るしておく。
①岸壁にバウを着ける。その時のバウの位置は係留時バウの位置。
②クルーは急いでバウから下りて直ちにバウスプリングをミジップのあたりの岸壁に取る。
③風に押されてスターンはゆっくり岸壁に寄って行く。
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狭いスペースへの着岸(Practical seamanship illustratedより)
左舷着けでも右舷着けでも利用できる。

①バウに大きいフェンダーをつけて、岸壁にバウを着ける。その時のバウの位置は係留時バウの位置。
②クルーは急いでバウからクルーが下りて直ちにバウスプリングを岸壁に取る。出来るだけ後方が良い。
③クルーがバウスプリングを確実に取ったら、スキッパーは右舵を切って(バウを岸壁から離す方向に)微速前進。スターンはゆっくり岸壁に寄って行く。
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土肥フェリー岸壁での操船実例
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by mantenbosisan | 2012-02-22 21:40 | 離着岸&アンカリング

着岸操船 岸壁に沿った風(潮流)がある時の着岸

岸壁に沿って平行に潮流や風がある時は、潮流(または風)に向かってアプローチするのが原則なので、潮流や風に沿って着岸地点に向かう場合は最終アプローチ前にUターンする。
Practical seamanship illustratedより。
スピンナヤーンにも同じような趣旨の記載あり。
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by mantenbosisan | 2012-02-22 21:30 | 離着岸&アンカリング

着岸操船 風下への着岸

岸壁(桟橋)に向かって風が吹いている時の着岸は、思ったよりも速い速度で岸壁(桟橋)に寄ってぶつけることがあるので、いつもより早めに、岸壁との間を多めにあけて船を平行にして船を停止させ、流されながら着岸する。
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by mantenbosisan | 2012-02-22 21:20 | 離着岸&アンカリング

着岸操船 風上への着岸、狭いスペースへの着岸

その1)-風上への着岸&狭いスペースへの着岸

岸壁から沖に向かって風が吹いてる時の着岸は狭いスペースへの着岸方法と同じなので、ほぼ1艇分しか空いてないスペースへの着岸方法を図示する。
ポイントはスターンの係留位置に直角に向かう/回頭してバウが岸壁から1m位までに寄った時に、行き足が止まり、岸壁との角度が30-40度になっている/プロップウオークを使って接岸の3点だ。



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①スターンの係留位置(スペースに余裕があるならもう少し左)にほぼ直角くらいの角度で風に負けない速度で向かう。
②岸壁に残り1艇身になったらギヤをニュートラルにして右に大きく回頭してバウの係留位置に向かう。
 
下図の通り、岸壁まで1艇身の位置から直線を引くと45度となる(青線)が、その位置から大きく回頭しながら向かうので(赤線)バウの係留位置の前ではもっと浅い角度(30-40度くらい)になってるはずだ。当然より浅い角度の方が良い。

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バウが岸壁の係留位置から1m位になった時に(※1)舵を中央に戻しギヤを後進に入れて一吹かしする(※2そうするとプロップウオーク(一軸右回りプロペラ船の後進時の回転特性)でバウは右(沖側)に振られスターンが左(岸壁側)に寄るように旋回して岸壁に平行になって止まる。

1:この時岸壁との角度が30-40度で行き足がほぼ止まる位にしたい。速度が落ちきれてないと後進に入れてもすぐ止まらず前に他艇が停泊していたら衝突だ。またこの時岸壁との角度が45度以上あると、岸壁に接岸しきれないかもしれない。なぜなら岸壁との角度が大きいほど艇の旋回中心が岸壁から離れるからだ。後進時の旋回中心は前進時(バウから1/3)よりも少し後になる。

2:一吹きして艇が旋回し始めたらギヤをすぐニュートラルに戻すこと。そうすればほとんど後進しないで旋回できる。
 


下図は舵20061月号P-35 シングルハンドの基本の基本に載ってた図だが、同じ図が何度も使われており、いつも気になっていた。どこが間違ってるか考えてみよう。

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図①一艇分のスペースしかないのにスペースの中央付近に向首しているが、これでは無理。スターンの係留位置付近に向首すべき。モーターボートならキック現象を使って寄せることが出来るかもしれないが、キールのあるヨットはキック現象があまり大きくない。

図②右転のタイミングが岸壁まで2艇身の位置では早すぎる。1艇身くらいが妥当だろう。

図③の位置のような大角度からではプロップウオークを使って旋回して接岸するのは無理がある。なぜなら船の旋回中心が岸壁から離れ過ぎてるからだ。また、図ではバウ付近を中心に旋回しているがそんなことはありえない。後進時の旋回中心は前進時(バウから1/3)よりも少し後になる。

舵の説明でもっとも誤解を与えるのは図②から③の一連の説明の中で、「その場回頭」の手法で岸壁に寄せるような印象を与えている点だ。キールのあるヨットはモーターボートほどキック現象が大きくないので着岸地点の前でその場回頭しても岸壁に寄せきるのはなかなか難しい。重要なのは岸壁との角度が30-40度になって行き足がほぼ無くなった時にバウが岸壁から1m位に接近していることだ。その状態に持って行ければほぼ成功で、後はプロップウオークで寄せることが出来る。

下はまた別の舵の記事だ。2007年6月号。
図2「桟橋まで2艇身まで来たら」は「桟橋まで1艇身まで来たら」と読み替える。
図3「桟橋に45度くらいで突っ込んでいき」は「桟橋との角度が30-40度くらいになるように回頭して行き」と読み替える。

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その2)ー風上への着岸ー岸壁に平行に入って来る場合ー
参考 The Annapolis Book of Seamanship

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その3)ー風上への着岸ー櫛形桟橋の場合ー
参考 舵2009年12月号操船力向上委員会
岸壁係留などでは考えられないが、櫛形桟橋への係留ではaのように早めに桟橋に接近して平行にアプローチするケースが多いらしいが、これでは風に流されたりあるいは押されたりした時に舵で修正が効かないので、bのように直角に(=風に向かうように)アプローチして最後はプロップウオークを利用して桟橋に寄せる。

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by mantenbosisan | 2012-02-22 21:10 | 離着岸&アンカリング